舞-HiMEを蓬莱学園アニメとして見立て見る−その2

舞-HiME第4回を視聴。
第3話は「追悼ライブ」へ行っていたので視聴できていない。当初考えていた謎やアクション押しとは随分違って、第4話は下着泥棒ネタを使ったコミカルな作風。割と近時の普通のアニメっぽくなった。もう少し謎やアクションで引っ張ってくれた方が良いような気もするが、丁寧に作ってあるので面白く見ることができる。
近時のキャラクター萌えを客観視した上で、サンライズという器にあった作り方をしている。「要するにこんなのが良いんだろう」と他者からキャッチコピーやデータを安易に持ってこないのは作り手として良心を残したいいことだと思う。
美袋命(みなぎ・みこと)を見ると、アンヘラ国東*1だねぇと思ってしまうのは、もうオイラの周辺部ではしょうがない感じ。

*1:金髪・褐色の肌・緑色の眼。ミケール国東という考古学者の娘で、父が追い求めいた謎を追う、8人のヒロインの中では「孝」を象徴する<原始少女>。野生児・狼少女といったパターンに連なるターザンガール系のヒロイン

時代小説作家・永井義男は本当に面白い

算学奇人伝の頃から最高だったが、鬼武迷惑剣―江戸色里草紙 (学研M文庫)がまた良い感じ。山東京伝十返舎一九滝沢馬琴の若き日々なんかが出てくる。主人公は一九や馬琴の同僚でもある戯作者・感和亭鬼武(かんなてい・おにたけ)。
http://www.fumikura.net/paper/edoyo/edoyo45.html
こういう現在では無名に近いが、面白い人物を縦横に資料を駆使してユーモア仕立てで書けてしまう。今年は著作が4冊もでて嬉しい。

WWⅡ前後の科学・発明史 1941年と1942年

◆1941年
5月15日 小林貞一が、日本列島の構造史である「佐川造山輪廻」を発表。
5月27日 閣議に置いて、「科学技術行政機関」を新設。科学研究における統合整備計画を盛り込んだ科学技術の新体制確立要項の決定。
これって「ギレンの野望」に出てくるジオン軍の<MS統合整備計画>のまんまって気が……。
11月 海軍がメートル波のレーダーを千葉県勝浦に装備。
11月3日 日本窒素肥料が塩化ビニール樹脂の工業生産を開始。日産製造量は3t。
※A・F・クールナン(米)とD・W・リチャーズ(米)、心臓カテーテル法を実際の医療現場に導入。
※G・W・ビードル(米)とE・L・テーテム、遺伝子が細胞中の化学反応を制御することを示す。
※F・A・リップマン(米)、アデノシン三リン酸(ATP)の役割を明らかにする。
おお、高校生物(オイラは物理・化学を選択したので理Ⅰの知識だけだけど)で必須のATPは此処で登場するのか。生物の細胞化学レベルでの解明が、遺伝子情報とともに急速に発展していく。
※J・ヘイロフスキー(チェコスロバキア)、ポラリメトリー手法(ポーラログラフィー)を完成。
ポラリメトリーとは、送受偏波の違いから構造的情報を抽出するのこと。ポラリメトリーでググると、衛星での地表解析に最近では用いられているらしい。この時代はまだ衛星はないので、X線とかといった放射線を用いた結晶や構造解析技術のことらしい。
◆1942年 マンハッタン計画の始動(厳密に言うとO・ハーンの参加がこの時期)
2月2日 日本化学繊維研究所、ポリビニルアルコール「合成1号」の特許取得。
3月25日 東京帝大に第二工学部を新設(千葉)
4月 岡潔、擬凸領域についての研究を発表。
高等数学の概念。複素数解析に関わる。「複素多変数解析関数の性質を調べるときに大切な役割を演じ」「ベルグマン核と関わる」らしいのだが、ナンの事やらさっぱり分からない。
6月9日 昭南治安警備隊所属の本田実上等兵が、獅子座と小獅子座の中ほどに彗星を発見。
その生涯で新彗星12個、新星11個を発見した、日本屈指のコメットハンター本田実の登場。ちょっと本田実のサイトとは発見年時が異なるが、この時期から活躍が始まったのは間違いない。
http://www8.plala.or.jp/seijin/
6月20日 岡村博、微分方程式の解の一意性の必要十分条件を発表。
7月20日 坂田昌一井上健、2中間子理論を発表。
12月 日立製作所中央研究所、HO−2型電子顕微鏡を完成(2000倍〜1万倍)。
※ICI社(英)ポリエチレンの工業生産を開始。
※S・E・ルリア(米)、バクテリオファージの最初の鮮明な電子顕微鏡写真を撮影。
※V・デュ・ヴィニョー(米)、ビオチンについて2つの環からなる複合体としての構造を推定。
ビタミンなどの体内必須酵素に関する研究がほぼ収束するのがこの時期か?

ボランティアの非効率さとアンテナの低さ

何とか時間の割ける範囲内で地域ボランティアにも参加しているのだが、ボランティアの参加者は本当に二極化するなぁと痛感。
想像を絶するくらい頭が良くて、活動的な人材がいる半面、え〜とあなたは並の人間の30%くらいの能力しか持っていませんねという人がいるのでなかなか大変だ。
効率的な組織作りをしようとすると、会社チックなるのはしょうがない。
非常に活動的で尊敬もする某氏曰わく「700%の能力を持っている人と、20%の人が一つに集まっているのだから不思議」とゆ〜絶妙なワールドを形成してしまう。ボランティア参加者は非常に優しいなぁと感じつつも、果たしてこれでよいのだろうかと感じる一瞬だ。
ネットもあってどうにもこうにも周りを見て発言しなければならないため、アンテナ低い人にあわせなけりゃならないし。
理想に燃えつつもこれらに絶望して離れていく人もまた多いし、そういう人が作った別組織で世界的に有名になった組織もまたあって。ついこの間も一般常識からは考えられないトラブルがあった。アホらしいことこの上ないが、まぁそんなもんなのだろう。
とはいえ、かつてはそこから産まれてきた素晴らしいものが幾つもあり、それは今なおオイラにとっても素晴らしいものなのであるのは間違いない。
ちょっとボランティア先進国の、欧米ではどうなっているのかを知りたいところではある。