WWⅡ前後の科学・発明史 1941年と1942年

◆1941年
5月15日 小林貞一が、日本列島の構造史である「佐川造山輪廻」を発表。
5月27日 閣議に置いて、「科学技術行政機関」を新設。科学研究における統合整備計画を盛り込んだ科学技術の新体制確立要項の決定。
これって「ギレンの野望」に出てくるジオン軍の<MS統合整備計画>のまんまって気が……。
11月 海軍がメートル波のレーダーを千葉県勝浦に装備。
11月3日 日本窒素肥料が塩化ビニール樹脂の工業生産を開始。日産製造量は3t。
※A・F・クールナン(米)とD・W・リチャーズ(米)、心臓カテーテル法を実際の医療現場に導入。
※G・W・ビードル(米)とE・L・テーテム、遺伝子が細胞中の化学反応を制御することを示す。
※F・A・リップマン(米)、アデノシン三リン酸(ATP)の役割を明らかにする。
おお、高校生物(オイラは物理・化学を選択したので理Ⅰの知識だけだけど)で必須のATPは此処で登場するのか。生物の細胞化学レベルでの解明が、遺伝子情報とともに急速に発展していく。
※J・ヘイロフスキー(チェコスロバキア)、ポラリメトリー手法(ポーラログラフィー)を完成。
ポラリメトリーとは、送受偏波の違いから構造的情報を抽出するのこと。ポラリメトリーでググると、衛星での地表解析に最近では用いられているらしい。この時代はまだ衛星はないので、X線とかといった放射線を用いた結晶や構造解析技術のことらしい。
◆1942年 マンハッタン計画の始動(厳密に言うとO・ハーンの参加がこの時期)
2月2日 日本化学繊維研究所、ポリビニルアルコール「合成1号」の特許取得。
3月25日 東京帝大に第二工学部を新設(千葉)
4月 岡潔、擬凸領域についての研究を発表。
高等数学の概念。複素数解析に関わる。「複素多変数解析関数の性質を調べるときに大切な役割を演じ」「ベルグマン核と関わる」らしいのだが、ナンの事やらさっぱり分からない。
6月9日 昭南治安警備隊所属の本田実上等兵が、獅子座と小獅子座の中ほどに彗星を発見。
その生涯で新彗星12個、新星11個を発見した、日本屈指のコメットハンター本田実の登場。ちょっと本田実のサイトとは発見年時が異なるが、この時期から活躍が始まったのは間違いない。
http://www8.plala.or.jp/seijin/
6月20日 岡村博、微分方程式の解の一意性の必要十分条件を発表。
7月20日 坂田昌一井上健、2中間子理論を発表。
12月 日立製作所中央研究所、HO−2型電子顕微鏡を完成(2000倍〜1万倍)。
※ICI社(英)ポリエチレンの工業生産を開始。
※S・E・ルリア(米)、バクテリオファージの最初の鮮明な電子顕微鏡写真を撮影。
※V・デュ・ヴィニョー(米)、ビオチンについて2つの環からなる複合体としての構造を推定。
ビタミンなどの体内必須酵素に関する研究がほぼ収束するのがこの時期か?