「スレイヤーズが好きだった10代の僕を、どうやって肯定すればいいんですか!」の歴史事象

ライトノベル完全読本の編集会議をやっている中でこの話題が出た。その後(後段でも述べるけど)奇想天外1977年5月号の小松・柴野対談が「宇宙塵」に再掲載されているのを調べ物していたら、宇宙大元帥・野田昌弘のトラウマを小松左京が言及しているのが、この発言に非常に近いのでちょっと引用する

小松:野田(昌弘)ちゃんが、そういう幼児性を多分に持ってて、彼と一緒に仕事をしていると、彼の“ポンキッキ・ファシズム”に往生するんですよ(笑)。
柴野:ポンキッキ・ファシズムとはどういう意味ですか。
小松:いや、別に意味があるわけじゃない。どんなことをやってもポンキッキ調にしてしまうんだ(笑)。「おれはガーンズバックでSFの筆下ろしをやって、トラウマになってんだ」というんだけど
(宇宙塵2004年No1より引用)

そのスレイヤーズ好きだった人に対して、加野瀬未友

「認めたくないものだな、若さ故の過ちというものは」とか「黒歴史として封印」とかいろいろな処理方法をアドバイスしたのに納得していただけませんでした。

とアドバイスしたそうですが、野田昌弘宇宙大元帥をして、この発言があるのだとすると、基本的に根治は難しいのかもしれない。いつか振り返って語れる日が来るのだろう。
「ガーンズバックで筆下ろし」か……良い表現だ。ひょっとすると「スレイヤーズで筆下ろし」よりも捨てたお金や時間を考えると重傷かもしれない。
世の中には「宇宙戦艦ヤマトで筆下ろし」とか「Gガンダム」「ジョジョ第2部」「カードキャプターさくら」「SEED」とか色々トラウマがあるなぁと思いました。
(参照)
http://artifact-jp.com/mt/archives/200311/bungakufreemk.html

「げんしけん」を読み解くのに……

ちょっとアニメの方は見ていないので何とも言えないが、ストーリーラインの多くを握っているのは、咲なんだろうなぁと思って見ている。なんかこれ著者にとっても当初の予定とは変わってきているのではないだろうか?
前回は、「うにばーしてぃBOYS」「究極超人あ〜る」を引っ張ってきたのだが、考えるに時代が下るにしたがって女性陣が前に出てきているのが実感できるのが興味深い。現状の大学での実態はどうか分からないが……。ネット上で検索できる限りにおいては余り前面に出てきていないかもしれない。これはしょうがないか。
ライトノベル完全読本を見た某編集部から、別件の話があったので、SF歴史本なんてどうなんだろうと思ってたら、ちょうど「宇宙塵」の2004年No.1に、奇想天外での小松左京柴野拓美対談が再掲されていて面白い。

柴野:(前略 草創期のSFファンダムを語って)なかには70年安保の時、「いまはSFなどやっている時ではない」という名言を残して去っていたのもいる。
小松:あのころは、さすがにSF界もキナ臭かったんですね。
(宇宙塵2004年No1より引用)

とか言うのは、70年代の雰囲気を良く捕らえているなぁとも思った。
こうした見方を面白がる反面で、どうもオイラは若者文化における歴史事象を、一括してくくれるような共通点を捕らえようと過ぎるのを多少気になっているのも確かだ。
この間の打ち合わせで「あまり歴史に捕らわれすぎると、構造主義以降のポストモダン的な解釈とは離れるよ」との指摘を受ける。歴史知識ないままに「現在を現在の構造のままに捉えるのも必要でないか」と。
アプローチ手法として、確かにそれもあるなと思った。どうも近時の例を見てると勘違いとしか思えないモノもあるが、「確かに」とうなずける部分も多々あったので、ココに書いておく。

小説好きの叔母さんが上京してくる

ので、急ぎ今回はどんな本が面白いかのセレクションをしなければならない。基本的に本を与えておけば、仕事で嫁さんほかが外に出ていたとしても一人で楽しく過ごしてくれるので手間はかからないのだが……。
軽く読めちゃうという意味では「ダ・ヴィンチ・コード」も良いかなぁと思うのだが、原稿発注する中で、知り合いに貸してしまったので手元にない。かといって、いきなり「ダンテクラブ」はキツイか?? 小野不由美の「十二国記」の続きが出ていないことはまた解説せねばなるまい。古川日出男くらいで考えてみる。
嫁さんが解説できる程度の面白映画ビデオも見せなければならない。こちらの方は多少古い映画であっても、未見ならばOKなのだが、前々回は「グラディエーター」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だったのだが、これは失敗。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」はやめておいた方が良かった、後悔先に立たず。
昨年が「アメリ」でこれは好評だったから、今回は「猟奇的な彼女」でまとめておくくらいが無難だろうか。
それとも延々と「24」を見てもらっておくのがよいだろうか? 悩みどころ。