櫻井よしこの印象

取材で何度か櫻井よしこと会っている。非常に勉強家で頭の良い人であり、個人的にも色々話を聞いてみたいという思いを起こさせる女性の一人だ。
まぁ初見で実際に会うと「その髪型はどうよ、寝るときにはどんな形になっているんだ」という疑問が頭をよぎらざるを得ないのだけれども、それはまぁ置いておく。
彼女のレゾンデートルはやはり「ベトナム生まれ」というところと「ハワイ大学マノア校歴史学部」にある。
ようするに両国ともに「西洋に侵略された植民地」だという歴史を持った国で、出生・大学生活を送ったというのが非常に大きい。そのためか、たびたび「日本とはどういう国なのか」というのを外国人に説明しなければならないのに私は説明できなかったという発言をたびたび耳にする。これはある種のコンプレックスなのかもしれない。
そのためか、「外国に誇れる美しい日本」「外国との在り方でこうあるべき日本」という発言がよく出てくるが、同年齢の保守政治家の発言とはちょっと色合いが違う発言として、それらが響くのが興味深い。
「外から規定されるコトを重視している」という印象もあって、ある意味、背骨としての本筋がどこにあるのかは、数時間会っただけの話では分かりにくかった。かつてのジャーナリスティックな視点として「薬害エイズ」「住基ネット」「対北朝鮮政策」といった個別分野への批判・政策提言は実に分かり易いのだけれども……。あ、でも「ジェンダーフリー」に関しては、西尾系の俗論に惑わされているっぽかったな(笑)
個別の事象に関しての話は分かりやすいが、大きく日本といった大枠の話になると途端に論拠が薄くなる気もする。
その意味で大臣向きなんだろうけど、ある種、個別の事柄を深く追究し、かつそれに対してフリーのポジションから発言するというフリージャーナリストっぽさを体現し、またその立場を気に入ってもいるようなので、大局的な視点から見るという意味では政治家に向いているかどうかと言うと、基本的な指向として無いような気もした。
ま、あまりこっちの領域には踏み込むつもりはないのだけれども、あの髪型に関してだけは、実物を見ると本当にビックリしてしまうので、ちょっと書いてみた。