未来企業であることを辞めたソニー?

はてなブックマーク - ソニー、ロボット事業から撤退--ウォークマンの国内生産も中止 - CNET Japan
ソニーがエンタテインメントロボットをはじめとして、15の分野から撤退を決める。

【エンタテインメントロボット】
アイボの新規開発はすでに終了していたが、生産も2006年3月末までに終了する。ただし、サポートについては今後も継続する。QRIOについても新規開発を中止する。

初の外国人CEOに変わって黒字を確保したが……。ソニーはソニーというイメージを売る会社でもあることを考えると、このロボット撤退は、たとえ収益が見込めないとしても少しマズイのではないかと思う。
まぁ……エスパー研究所があった会社だからな。エスパー研究所をやっていた土井利忠ソニー上席常務(ペンネーム天外伺朗)はどうなるのだろうか……。 ソニーの未来イメージというとCDやアイボ犬を開発した、土井さんという印象があるのだけれども。

天外伺朗のサイバー・トーク】
アラン.ケイという名前を聞いたことがありますか?
今から二十年以上前、彼が率いるゼロックス社のPARC(パロアルト研究所)で、今日のコンピューター技術のほとんどが開発されました。それまでは、大型計算機と端末という形態だったものを一台にまとめ(パーソナル.コンピューターというのも彼の命名です)、文字だけだったディスプレーにグラフィツクを表示し、マウス、アイコン、マルチウインドウといつた今日のマンマシンインターフ工ースを確立しました。インターネツトの基本技術もマルチプロセッサーによる高速化技術もPARCが開発しました。
アップルのマツキントッシユは、直接的にその技術を採用した結果だし、爆発的に普及した「ウィンドウズ95」も、二十年かけてPARCで開発された技術を実装したにすぎません。あれから、延べ何十万人の技術者がコンピューターの開発に携わったかわかりませんが、正直いって進歩したのは半導体だけで誰もPARCの成果を越えられません。まるでお釈迦さまの掌の上の孫悟空です。
たまたま私は、アラン・ケイと個人的に親しくなり、頻繁にテニスを楽しむ仲になりました。ある時、コートサイドでピール片手に彼がふと言いました。
「トシ、あの時はね、何か参考にならないかと思って、世界中のあらゆる技術を調べていたんだけどね。今から考えると、PARCの研究に一番直接的に影響を与えたのは、スズキ.メソードだと思うよ」
「エッ!」
私は自分の目を疑いました。鈴木鎮一氏が始められたスズキ・メソードとうのは私もよく知っていました。三〜五歳の幼児がバッハでもモーツアルトでも楽々と、音楽性豊かに弾きこなす、そして人間性豊かに育っていく、という話をソニーのファウンダーの井深大氏から何度も間いていました。
しかし、それがアメリカで行われた超ハイテクコンピュータの研究と何の関係があるのだろう?
私が心から納得したのは、何週間もたってからでした。アラン・ケイは「スズキ・チルドレン」たちの心の動きを研究したのだと思います。それが、人間に最も適したマン・マシン・インターフエースヘつながつたんでしょう。彼はマニュアルを読まなくても子供がすぐ使える「コンピュータの研究」を目指しました。PARCにおけるマン・マシン・インターフェース開発は、全員子供が使われました。
「ああ、そうかー」何百万人の孫悟空たちが「コンピュータの研究」をしていたのに対してアラン・ケイたちがPARCでやったのは、実は「人間の研究」だったのでしょう。



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