NEWSWEEK日本版「ゲーム王国ニッポンの落日」

発行元が阪急コミュニケーションに変更されてから、PICTUREPOWERなどの新連載が始まって面白い。これは変更は良かったのかなぁ。もっともアメリカ大統領選の年はいつも面白くなるから単なる気のせいかもしれない。
この特集はゲーム業界人必見。2Pのみであるが、多角的分析が鋭い。素晴らしい!
◆アメリカでの売上
98年は任天堂だけで「全米シェア25%、年間ベストテン中の5本」を占めていた。当時の日本製ソフト全体でのアメリカ市場占有率は49%。しかし今年は29%に落ち込む。
Xboxネーション誌、サイモン・コックス編集長
「ヒットの条件は三つある。『その国の文化に合っているか』『超現実的か』『強力なライセンス関係があるか』 日本製ソフトはどの条件も満たしていない。
◆アメリカでのキャラクター受容の変化
90年代のマリオ・ゼルダといった可愛い系
→ 日本発以外のタフガイキャラへ(グランドセフトオート・バイスシティの主人公)
◆日本のクリエイターの「わがまま」
ゲーム業界が年商180億ドルのグローバル産業になっても、日本のメーカー意識は零細企業のままで、クリエイターの「わがまま」を許容しすぎている。
市場調査や消費者からのフィードバックが生かされていない。日本では販売会社が、完成間近になってようやくゲームの内容を知らされる(←ゲーム雑誌への依存が大きすぎる)
NEWSWEEKがこんな事まで分析しているのにびっくり!)
ただ、この特集、NEWSWEEK文体は、最後は皮肉で閉めるモノだが、今回は弱い。

ナムコ原口洋一執行役員
「欧米メーカーの開発委技術が向上しているのは事実だが、日本のゲームクオリティは下がっているわけではない」(中略)「欧米でも人気が高まっているロールプレイングゲームは、日本の得意分野だ。当面は日本の独断場が続くだろう」
かつてゲームの黄金時代を築いた国だけに侮れない言葉だ。

侮ってください!! ナムコもまぁ……あんなRPGしか作れないで、こんなセリフが吐けるなぁと感心。
いよいよ大統領選もラストウィークで海外雑誌が見逃せない〜。