ヴァン・ヘルシング

ヴァン・ヘルシング インサイダー」を読む。
ソマーズ監督は、制作を始める前にストーリーボードの大半を作っている若手スタッフ連中から「『バンパイアハンターD』を監督も見なきゃ駄目だ」と言われてみせられたらしい。それで見てみたら「おお、これは!」って感じで、スタッフが描く武器がアニメの影響をもろに受けていたとのこと(笑) デザイン第一稿のヴァン・ヘルシングはやっぱり「つば広テンガロンハット」「防護服の上にマントを羽織った全身黒ずくめ」とDそのものだったようです。

――ヴァン・ヘルシングの設定はどうやって考えたものですか?
ソマーズ:ヘルシングは世界中の宗教界によって作られたある組織のために働いているんだ。仏教の僧侶やヒンドゥ教の司祭、ユダヤ教のラビが登場する場面も出てくる。……そして、彼らの本部はバチカンにあるわけ。これは物語が19世紀を舞台にしていることと関係がある。映画に登場する名高いモンスターたちはこの時代に文学作品として生れたけれど、20世紀まで生きのびたものはいなかった。みな死に絶えてしまった。そこでこう考えた「彼らを殺したのは誰だ? ドラキュラを、フランケンシュタインの怪物を、狼男を殺したのは? 透明人間はどうした? ジキル博士とハイド氏はどうなった? みんな消えてしまった! 犯人はあの男、ヴァン・ヘルシングだ! 彼はなぜモンスターを殺して回ったのだろう? きっと彼に怪物退治を依頼した存在があるはずだ」とね。19世紀末、世界中の宗教指導者からなるこの組織は、来るべき20世紀に向けて19世紀の邪悪な連中を片づけなければならなかった。そこで彼らはヴァン・ヘルシングのような怪物を滅ぼすことのできる男を必要としたんだ。

こーゆー古典を押さえつつ、リファインを加えたオリジナリティ要素を加えた設定を考えられる監督というのは良いですね。脚本も描く人らしいし。ちゃんとバンパイアハンターDを見たこともインタビューで真摯に答えた上で褒めているし。