トランスフォーマーのノベライズ2冊と吉田アミ「サマースプリング」
週末とにかくドタバタしていたのだけれども、なんとか3冊読書をこなす。
- 作者: アラン・ディーンフォスター,Alan Dean Foster,中原尚哉
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/07
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トランスフォーマー―ゴースト・オブ・イエスタデイ (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: アラン・ディーンフォスター,Alan Dean Foster,金子司
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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なんか男気映画への気持ちが我慢できなかったので、ついつい早川書房から刊行のトランスフォーマーのノベライズを2冊買ってしまう。
前者「トランスフォーマー」は、今度公開される映画のノベライズ。後者「トランスフォーマー ゴースト・オブ・イエスタデイ」は外伝的扱いで映画の前日譚を記している。それぞれ高橋良平氏・堺三保氏のお二方が解説を書いているのだが、そのまとめ方が実に適切で参考になった。
ちなみに小説では、キャラクターの名称が日本版アニメに合わせて変更してあるので、サイバトロン軍団の司令官は、オプティマスプライムではなくコンボイと記してあるので読みやすい。
高橋良平氏の方は、トランスフォーマーの企画設立から今回の映画化の経緯までをザッと解説。とりわけトランスフォーマーの世界観確立にマーヴェルの編集者が関わった経緯と発端が書かれていて、「なるほど」と膝を打つ。なるほど、その後のコミック化とかしやすいはずだね。
一九八四年に発売されたトランスフォーマー・シリーズを仕掛けたのは、《スター・ウォーズ》のフィギュアでもお馴染みの世界第二の玩具メイカー、ハスブロだった。ハスブロは、発売するにあたり、マーヴェル・コミックスの編集者ボブ・バディアンスキーに、トイボックス裏に載せるテクノロジー・スペックこみの紹介文の執筆を依頼したのだ。期せずして、この世界設定がアニメ化、コミックス化の準備になった。
こういう細かい縁が生きているのって、わりとよくあるような気がするな。
小説自体も出来が非常にいい。地球で最初にメガトロンと接触してしまった不幸なアーチボルト・ウィトウィキー船長の子孫で、バンブルビーが変形した中古のカマロを買ってしまう主人公の高校生・サム・ウィトウィキーの非モテっぷりというか、スクールカースト最下層っぷりが面白い。
学園映画にはよくこういう設定が出てくる。長谷川町蔵・山崎まどかの屈指の名著
- 作者: 長谷川町蔵,山崎まどか
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2006/11
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が刊行されるまでは、こういうアメリカ学園生活事情というのは、映画だけを見ているとまったく分からないことが多かったんだけれども……特に俺がみるのはSFモノが多かったし……最近はこの本を読んだお蔭で一層面白さが増して、アメリカ人の少年にとって「初めての車」というのが、どれほど意味のあることなのか堪能できるようになった。
もう一方の「トランスフォーマー ゴースト・オブ・イエスタデイ」の解説では、堺三保氏が、〈トランスフォーマー〉世界完全解説と銘打って、様々に展開するトランスフォーマーの世界を概括してくれる。
かろうじてビーストウォーズまではなんとか分かったんだけど、以降の〈ユニクロン三部作〉の位置づけがコレを拝読して、Wikipediaを読んでようやく分かった。
そしてこの外伝自体もムチャクチャ面白い! 大体の粗筋は以下の通り。
〈映画のすべてがわかる前日談〉人類初の星間宇宙船ゴースト号は、銀河の果てで謎の機械生命体の戦闘に巻きこまれるが……!?
1969年、全世界が人類初の月ロケット、アポロ11号打ち上げに歓声をあげるなか、もうひとつの宇宙船が密かに地球を飛び立っていた。19世紀末北極で発見された巨大な機械生命体の調査研究をもとに建造されたゴースト1号。だがそのテスト中、新型エンジンが暴走、気がつくと彼らは何処とも知れぬ銀河のただなかに……そこでは敵対する2つの機械生命体(トランスフオーマー)――サイバトロンとデストロンの壮絶なる戦いが繰り広げられていた!
ちなみに映画本編ではあまり活躍しないと言われている敵方人気キャラ、スタースクリームが、この外伝「トランスフォーマー ゴースト・オブ・イエスタデイ」ではムチャクチャ大活躍するので、スタスク・ファンは必見である。
なんといってもメガトロンが行方不明であるため、スタースクリームが暫定的ながら、デストロン軍団のリーダーを演じているのだ!
スタースクリーム - Wikipedia
破壊大帝メガトロンとは、活躍する場所が違うため、お馴染みの科白
お許し下さい、メガトロン様!
は出てこない。けれどもデストロン軍団戦場四訓みたいなことをほざきながら、ブラックアウトを〈修正〉するところ、甘言を労して地球人探索チームを騙すところなど見せ場が多い。
SFファン的……というか、ファースト・コンタクト・シミュレーション的な「母星の位置を知られてはいけない」という命題が前面に押し出されていて面白い。このストーリーがあった後、サイバトロン、デストロン供に地球探索を始めるわけだけれども、こういう現実でのファーストコンタクトものでの命題をひとつキチンと書くのは面白いね。
で、次に吉田アミ氏の小説「サマースプリング」を読んだ。
小説というよりも自叙伝と行った方が良いかもしれない。不安定な母と祖母、そしてどうしようもなく田舎の中学校での砂を喰むような生活を綴った自叙伝。
実話のようなので、ドラマチック性を期待するとやや裏切られるかもしれない。個人的に疑問に思っていた吉田アミってどうやって今のようになったんだ?という疑問が解かれるところまでは話が時系列的に至らなかったので、そこが残念。
実は一番面白かったのは後後書き」の後半部だったりした。こういうパラフルさにどういう経路を辿って着いたのかみたいな続篇が読みたいなと思った。
文化・女子・叢書――「文化系女子叢書の発刊に際して」
という叢書の創刊文は、面白いというか不思議な文なので、一読はしてみたほうがいいんじゃないでしょうか? 肩に力はいりすぎている感じがする。
いきなり話が戻ってトランスフォーマーの玩具の話。
- 出版社/メーカー: タカラトミー
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- メディア: おもちゃ&ホビー
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- メディア: おもちゃ&ホビー
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トランスフォーマーで一番好きなキャラクターは情報参謀サウンドウェーブだ。銀河英雄伝説のオーベルシュタインの5倍位好きなのだが、あのカセットロボットはさすがに時代が古くて出てこないのが残念。
となると、バンブルビーの玩具がすごくタイプなんで欲しいよぅ。早川のプレゼントに応募しようと思っている(マジ)