たけくまメモの「亀田・ゲド戦記・さるマン」の三題噺にならって、「ビッグマウス・報道掌返し・ネットの欺瞞暴き」で三題噺を書いてみる

たけくまメモのエントリが飛ばしすぎていてもうたまりません。「ゲド戦記」「亀田世界戦」を同一エントリで扱ってしまう……いや、一応、広告宣伝業界に身をおいていた自分としてはブログって怖いなぁと思う。当然ながらこういうアングルは出てくるのだけれども、それが即日ネットにあがって、万単位の人々に読まれてしまうのが怖い。
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タブーに挑む「さるマン」で業界を震撼させた竹熊健太郎のイメージに偽りなし! さすがです!
この竹熊さんのエントリが非常に面白かったのでネットを回りながら、「なんで亀田世界戦の後にマスコミが掌返しをしたのか」考察を拾ったり、そしてそろそろ「過剰すぎる偽善暴き装置」になったネット対応を考えてみたりしようかと思った。
竹熊さんが、「ゲド戦記」を見に行って寝てしまったという話題が書いてあるけど、実は俺も昨日ゲド戦記を見に行ったんですよ。スタジオに泊まること二晩。早朝に時間をこじ開けて……。
いちおう、寝なかった身として書けるのは「普通につまらないアニメ」でした。デビルマンのように話題になるほど「クズ」じゃなくて、単に「つまらない」話になっている。「つまらないTVアニメ級」といえば分かり易いかもしれない。その意味でyahooでの映画評の批判はやや過剰だったかも、真実はことごとく言い当てているけどね。まぁ俺も長男が監督と知った昨年には同じように吹き上がってエントリを書いちゃったから、気持ちはよくわかる(苦笑)。
実際に「ゲド戦記」見た感想としては、新人シナリオライターや作家によくある《粗筋orプロットを聞くとなんとか話になりそうだけど、完成品を見ると全然駄目というパターン》といえばわかりやすい。根本的に台詞に拠らぬ演出力や映像描写力が足りないからそうなる。まぁ、これで荒削りでも光るモノがあれば救われるんだけど、それもないし。
要するに単にツマンナイ。
その意味で竹熊さんの言う「おつかいRPG」というのも言い得て妙だ。ゲーム業界で例を挙げると「ファイナルファンタジーⅧ」での街探索シーンに近いと言えるかも知れない。あそこのシーンも新人シナリオライターに書かせたらしいので、ああいう単なるフラグたてのつまらないイベントになっている訳なんですが……。
色々と欠点はあるけれど、特に「ゲド戦記」で致命的なのがアクション的な説得力を持つ見せ場が皆無に近い点だろうか。最初の竜同士の激突くらい? その結果、映像監督としてドコが得意なのかがよく分からない。これでは次回作もドコを期待して良いのか分からなくなる。
竹熊さんは「亀田世界戦・ゲド戦記・さるマン」で三題噺としてまとめた。当初は俺も「亀田興毅宮崎吾朗高城剛」で、「PR上手の業界ビックマウス三題噺」としてまとめようかと思っていたのだけれど、さすがに高城剛も激やせしているのを見ると、なんか亀田&吾朗ペアほどの器じゃなくなってきたしなぁ。いやいや、この見方は逆で、実は生き残りの可能性を考えるとという意味では高城剛の方が上かもしれないな。

高城剛
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未来のビジョンを創出するのが僕の大きな仕事です。それは、かつてのアルビン・トフラーとかも同じなんでしょう。
宮崎吾朗
객체 없음!
「次の作品からは父より何倍も優れた作品を作りたいと思っています」

ご免、俺には「アルビン・トフラー高城剛と並置する」ことも「宮崎駿より何倍も優れた作品をゲド戦記の監督が次にシュッと作っちゃう」ってことも想像がつかないよ。えーっと、富野由悠季とかラセター? いや、それでも宮崎駿よりすぐれているとは言えないし……。あー、分からん。スマン!
亀田興毅宮崎吾朗高城剛の」以上に面白いとなると、「康芳夫鈴木敏夫・次原悦子」で「2006年・暗黒プロデューサー三題噺」というのは……駄目ですか、そうですか。さすがにこんなエントリを書く勇気は俺にはない。
亀田世界戦の後、一気にマスコミが掌返しをしたのかの考察に関しては、
BL@Kことbewaad institute@kasumigasekiに詳しい。

この手の興行モノに暴力団が得てして関与している、なんてことは公然の秘密ですけれども、今回はそれを公共の電波に乗せてしまった点が鍵ではないでしょうか。CXがPRIDEを斬ったときも、イノキボンバイエ裁判及びそれを受けての雑誌報道で、本来秘すべき部分が暴露してしまったことが大きかったのではないかと察せられるわけですが、本件にしても、せめて画面に出さなければ提灯報道が続いていたのではないかと。オメルタ破りには制裁を!

アレはかなり露骨だったしね。なかなか通常の放映では見られないパターンだった。それが本当に逆鱗に触れてしまったのかどうかまでは分からないけれども、可能性はかなり高い。
その考察の元になったのが、こっちの切込隊長のブログも、IT産業のブラックマネーを推察させる内容として非常に面白い。

ただ、こうした事情が即日でネットに出回るようになった大きな要因として、もう一つ、かなり昔のものであるけれども、個人的に凄く忘れられないエントリとなっているのが、切込隊長によるネットにおける欺瞞叩きに熱中するネット世論の分析の方だったりする。
三題噺の最後はこれでまとめてみる。
ま、個人メディア持った人間が、裏事情・欺瞞暴きをしたがる気持ちは俺にも分かる。
海外SEOブログ

 就労の機会を与えられず、一方で決して馬鹿でも無能でもない人たちの一部はネットに流れてきている。彼らはヒマであるがゆえに、社会に偏在する欺瞞に対する洞察が鋭い。それは右派とか左派とかいう次元の問題ではなく、本質的に偽善や欺瞞を嫌うのであろうと思う。なぜなら、彼らは本質的にまったく悪いことはしていないのに割を喰っているのだから、その不満を自分以外の第三者に向ける傾向はあるだろう。おそらく本質はヒマであることと無能ではないこと、そして彼らが自発的に糾合しうる「場」が用意されているからにほかならない。
 ネットでは右派が目立つと良く言われるが、一定の割合で右派も左派も存在しているし、それよりもはるかに多い割合でノンポリというか完全に政治に興味のない人がいる。ネットのなかでの情報交換で政治や文化、報道などについて語られる割合は極わずかにしか過ぎない。しかし、こんにち私たちの社会は既存の価値観が少しづつ崩壊していく過程にあって、そこで発生するスキャンダルの類、例えば西武鉄道ナベツネ、あるいはハンナンといったものは、明らかに過去の日本社会では起きなかった性質のものだ。部落と食肉利権に結びついたと言われるハンナンの事件など、20世紀にはまず表沙汰にはならなかった問題だろう。

ゲド戦記ジブリがネット上で叩かれているのは、この辺りも影を落としているような気がする。実際影響は小さくないだろう。
これは昨年の記事だけれども、去年末から今年にかけて見直すと「ライブドア」「ゲド戦記」「亀田世界戦」「ホワイトバンド」「ワールドカップ」あたりが付け加わるのかもなぁとも思った。
ある意味、こうした「欺瞞の裏が透けてしまい、ネット叩きが始まった時に取り繕う」広報戦略というのも必要な気もするのだけれども、まだ対応できてないのかもしれない。それを織り込んだ宮崎吾朗第二回監督作品のプロモが出来るのなら大したものだなぁと思う。
ジブリPR的には宮崎駿共産主義へのシンパシィが強かったことで、ゲド戦記において「世襲」というイメージがつくのを怖がっていたのだけれども、「実力不足を大量のPRとTVタイアップで乗り切る」という戦略自体が、ネガティブイメージで「亀田世界戦」と「ジブリアニメ」が結びつけられる自体になるとは思わなかったろうなぁ……。
ともに視聴率とコンテンツに苦戦する日本テレビとTBSらしいという意味で、現況が焙り出されてる感じがする。
考えてみるに、ファンに受け容れられるかどうかも分からないのに「第一回監督作品」とうたっちゃったり、「大晦日初防衛戦」とPRしてしまうのはすくなくとも現代にはあわないのだろう。産業化してしまった以上はしょうがない部分もあるけど、ネット層にそれを嗅ぎ取られるような宣伝戦略は、今後は駄目なんだろうなと思った。