モノグラフが最近つまらない
mOt
ライトノベル関連の情報収集で重宝していたモノグラフが、よく分からないのだけれども半年ぐらい前からいきなりつまらなくなった。どうしたのだろうか?
こういうニュースサイトは、切り込み具合とセレクションセンスですべてが表現されるのだが、ライトノベル本が諸々出版される前のモノグラフは、無茶苦茶センスが良かった。
ところが、半年前ぐらいからいきなりセレクションセンスが落ちた。
どうしたのだろう、無難というか、おどおど感?が出てきた。
急増するアクセス数などに惑わされずに以前のような切れ味を取り戻して欲しいなぁと思う。
新城カズマと桜坂洋は第2世代
波状言論で、東浩紀さんが桜坂洋と新城カズマに注目しているんで、補足。
ライトノベルと一般文芸の交叉点、あとサブカルとオタク文化の交叉点が、おそらく今年から来年にかけて一気にホットスポットとして上昇してくるのは間違いないという点で東浩紀さんは非常に正しい。
ただ東さんが、新城カズマと桜坂洋を、若い新人作家のように捕捉しているのは、ちょっと違うと思うので一応、補足(すでに認識済みだったら、この箇所は流して下さい)。
両作家の来歴や作家性を見れば分かりますが、二人とも完全にオタク第2世代に属している作家です。*1
セカイ系的な3世代以降に出てきた若手作家として理解するよりも、抜群の実力がありながら90年代には知る人ぞ知る……SF界よりももっとずっとインヴィジブルなラノベ界隈やTRPG業界、コミケ業界……人材であったことは押さえておいた方が良いかと思う。
エヴァンゲリオン以前の教養小説の枠組みを熟知している作家が、少し先鋭化しすぎて息切れしつつあるオタク第3世代に替わって、いかにもセカイ系的な衣を戦術的にまとって出てきたという枠組みで捉えた方が分かり易い。
それぞれのデビュー作、集英社ダッシュ文庫で「よくわかる現代魔法 (集英社スーパーダッシュ文庫)」は萌え路線、富士見ファンタジア文庫での「蓬莱学園の初恋! (富士見ファンタジア文庫)」は学園路線という、いわゆる中高生向けのヤングアダルト体裁はとっていながら、裏にあるのは極めて正統な教養知識主義やビルドゥングス・ロマン、そして利他的なリベラリズムであるのが面白い。
……まぁ、だからこそ95年からの文化状況の中で、危うく忘れ去られかけたのが、ようやく今になってルネサンスみたいに再発見されているなぁというのが私感である。
その意味で、もう一人、急速な再評価が進むのではないかなぁと思っているのが、田中芳樹やら五代ゆうであったりするのだけれども、それはまた別項で。
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「ラビリンス 魔王の迷宮」が出るよ!
大事件!! “スター・ウォーズのジョージ・ルーカス”が作ったファタジー映画がDVD化。
まぁ監督はジム・ヘンソンなんだけど、アメリカで大失敗、日本で成功。
ルーカスはファンタジーを作るのが苦手……というか、ルーカスがファンタジー的な作品を作ろうとすると、話がどうしても「イウォーク・アドベンチャー」のようなプリミティヴな童話になるというのが興味深い。あ、書いてみて思い出したが、両方とも家族を喪失した子供たちの物語だな。
だからこそ、日本で大受けするんだけど。
ジェニファー・コネリーが最高。
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