「抑圧的な生徒会」というメタファーの消滅とともに、「生徒会と闘う学園モノ」というジャンルは終わった

深夜に駅にいると卒業式終了後ので追い出しコンパがそろそろ佳境を迎えつつある感じだ。今日も座り込んでいる高校生……しかも明らかに酔っぱらっているんだけど、不真面目ではなさそうな感じ……を見てしまった(笑)。最初の酒ってつらいよね。大学入ってからの新歓コンパでは体を大切に。
で、打ち合わせをしているときに、大亜門の「太臓もて王サーガ」の話になった。いや一応、一つのクライマックスだし。
その時出た話題でちょっと面白かったのが、「主人公が抑圧的な生徒会と対決」っていうのは80年代半ばの定番だったけれども、それを残しているメジャーマンガって、現在では大暮維人「天上天下」と大亜門太臓もて王サーガ」ぐらいしかないという話。個人的にこの手の話はすごく好きなんだけど、たしかにいつの間にか、このジャンルってノスタルジックになってきたよな。
まぁ「抑圧的な生徒会」は「厳しい受験戦争」「体罰を加える教師」というものの一つのメタファーでもあるわけで、生徒数がもっとも多かった団塊ジュニアが受験戦争を突破した以降から急速にジャンルとして衰えてしまったような気がする。
かろうじて、超能力・超格闘能力バトルが、90年代の格闘ゲームブームの中で生き残っていたけれども、それも現在では下火になった感じだ。「ゆとり教育」「全員が大学進学」「体罰は禁止」となると、あえて教師や生徒会と対立する必然性がなくなる訳だし。このあたり、2年ぐらい前に話題になったけれども「暴力装置としての学校がないと、尾崎豊の『卒業』は機能しない」というのと近い感じだ。
「抑圧的な生徒会」に欠かせないと言えば、白ランだ(笑)。悪の生徒会長は、特別な制服を着てないとね。その起源は「男組」になるんだよと今日の打ち合わせで指摘される。
あと、白ランには「死装束」という意味もあるんだろうね。
で、それが高橋留美子の頃にはもうギャグとしてしか働かなくなって、「うる星やつら」の面堂の白ラン、「魁!クロマティ高校」、氣志團へと続いていくわけだけど。
ネットで検索したら、ボタン付の白ランは、氣志團の影響か結構見かけるけど、ボタン無しのタックで留める白ランってのがあまり見つからず、ちょっと残念だ。
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参考に以前作ってもらった「月刊宝島」の特集リスト
宝島特集年表とSF−日本で想定されているSFの読者とは その0 - さて次の企画は