日テレ「野ブタ。をプロデュース」は、ライトノベルでいうと秋山瑞人くらいスゴイ

ようやく話題の日テレドラマ「野ブタ。をプロデュース」をビデオにとっておいて見ることができる。
これは話題になるのが分かった、スゴイ。まだ四話目だし、個人的にも粗筋は他のサイトでみたから知った程度で実際に見たのは四話目だけである。だからなんとも材料不足なのは承知で書くけれど、これは「木更津キャッツアイ」と肩を並べるかもしれない。
野ブタ。をプロデュース ←クラスメート表がきっちりしていて絶対無敵ライジンオーとかをちょっと思い出す。
このサイトを見る読者にはライトノベルの読者が多いのでそれと比較して書くのであるならば、野ブタ。をプロデュース」は秋山瑞人並みにスゴイ。前作の「すいか」を見ていないのだが、これはそのビデオも見た方が良いんじゃないかと思われる。
この四話における「114の日」の扱い方がいい。「114の日」とは、《イイヨ》にひっかけた学校での「告白イベント」だ。生徒たちの前で告白が受けれいられれば花が降るが、受け容れられないと水をぶっかけられる。まぁ「キャリー」だ。「ヤング田中K一」でもこういう場面があったな。

◆第四話での「114の日」イベントの解題
離脱不能な残酷なシステムは存在し、それに(いますぐ)決定的な変更を加えることはできない

けれど、そのシステムに対して「知恵」や「心の持ちよう」によって対抗していくことはできるはずだし、対抗しなければならない。

【「114の日」は《彼氏》《彼女》を作らねばならないという非モテが最も嫌う圧力を具象化してる点に注目。ただ単に具現化すると浮き立つので色んなファンタジーをばらまくことで、逆に「離脱不能なシステムが世の中には存在するんだよ」というテーマのリアリティと説得力を増している】

という理念が貫かれてているところが、今回の話においてリアリティを担保していて心地よい。アホな金八先生ドラマとかだと、不条理な「114の日」を辞めようと学級会で話し合うとかいうくだらない話になるのだが、そうしないところに意味があるのだ。
修二が、自身の誕生日をGFのまり子より先に信子にしゃべっていたことを隠すために、取り繕いでついていた嘘=「手帳の取り違え」が、最後の最後で本当に発生して、修二・彰・信子の絆を確かめる形で伏線が回収される所など本当に上手い。多少は予想できたもののビックリした。
第三話での「生き霊」や、今回の第四話の「ホントおじさん」という虚構の存在もアリかなと思う。テーマの進行を加速するため*1の虚構存在といってもよいし、あるいは最後の最後ので、野ブタ。に対するネガティブ・プロデュースを行っている存在を、実際の女性(例えばまり子とか)に帰さずに、「学校というシステムに内在する《悪意》」と形を与えるための遠大な伏線と配慮の可能性もあるかも……と思っている。
「ここが世界の《律》であって、リアリティの境界線です」と読み解くのにはかなり難しいけれど。
う〜ん、前回に引き続き、今回も影を見せた黒幕は、通常のドラマ路線で考えると、やはり修二のGFである「まり子」だろうけど、ちょっと予想の範囲内過ぎるし。
解題していくことは色々多いのだけれども、それはネットでかなりのサイトがやっているので、時間もないからあまり追いかけない。みんな探してみてください。
次週の第五話は「信子の初デートの話」
しかもその相手は、「シッタカ」という渾名を持つ、知ったかぶりの癖のあるおしゃべりですよ。なにこの文化系オタク男子っぷりは! ちょっと番組サイトで見るには、「シッタカ」がハンサムすぎるんだけど、文化系オタク男子と不思議ちゃんのデートというのをどういう風に描くのか、楽しみでたまらないんですが……。

野ブタ。をプロデュース

野ブタ。をプロデュース


ヤング田中K一 (ニチブンコミックス) ←学級会で告白させられる悪夢(笑)

*1:スターウォーズやガンダムでのフォースやニュータイプ、あと巨大ロボットや超能力など。これも《日本のコミックやアニメでのリアリティ》の理由の一つではある。東浩紀などが論じようとしているこの問題に関して書くのには、スゴイ時間がかかるからまた今度