【乗り遅れ話題】女性の一発起業スキームの時代変遷

マーサ・スチュワートの出所復帰も近いというのもあるので、もう乗り遅れ感バリバリだが、「♪さきっちょ&はあちゅう♪の悪あが記」騒動について一言書いておこう。
あ、画像は「カリスマ主婦 マーサ・スチュワート」。現在、別荘居住中だが、不動産王トランプとかバックアップがついたのと、控訴せずに初審判決を素直に受け入れたことで、同情を集めて復帰プランは順調らしい。
話題を戻すと、今回興味を覚えたのは、かつてはOLなどの社会人もしくは主婦を経験していなければできにくかった「女性一発アイディア起業みたいなものが、ネットツールの普及によって女子大生でも簡単に構築できるようになったんだな」という点だった。
「♪さきっちょ&はあちゅう♪の悪あが記」を読んで連想したのは、かつてのOL向けのいろいろなエッセイコンテンツが、いかにビジネスとして成立していくかの過程だった。
元々はOLの昼のFAX連絡網から始まった「OL向上委員会」(記憶違いの可能性、大あり)とか、後に無印シリーズでエッセイスト・小説家として大成する群よう子(木原ひとみ)の『本の雑誌血風録』での配本時代エピソードをまず思い起こした。あともう名前すら覚えていないが、やはり女性が取り仕切っていた旅・ホテル情報誌とか【あ〜、男性なんで記憶がさっぱり定かでない】
「上手いエッセイを書く」あるいは「発想に光るところがある」としても、かつては群よう子のように「本の雑誌」といった出版界に絡むルートがあるとか、「ぴあ」などの情報誌に追随できない、女性情報を効率的に集めるネットワーク手法を構築する手腕(そこにOL的な知識が必要とされるわけだが)がないと、世に出てくるのは難しかった。
むしろ女子大生・女子高生は、対男性向けコンテンツとしての「女子大生ブーム」「おにゃん子ブーム」のように、コンテンツ発信側ではなく、存在自体がコンテンツとして見られる立場に甘んじていたんだと思う。
それがネットツールの普及、特にブログによって女子高生でも簡単に発信側になることができるようになった。一日のPVが4万を超えるなんて、単純に比較はできないが、おそらく群よう子のデビュー文庫の初版より多いんじゃないだろうか?
こうした「身近な女性感覚コンテンツ」はメジャーになってくるに従って、普通の女性からは当然、乖離していくわけだが、ネットツール普及以前は、著者の方も読者反応をダイレクトに受けるわけではなかったし、当然、ヒットの理由を知っている編集者が間に入って、客観的視野から「初期の良さ」をいかに維持し続けるかというクオリティ・コントロールもするから、今回のように人気爆発→勘違いのまま一気に炎上→開き直りということは少ないし、あったとしてもスパンが長い。まぁ林真理子とか、炎上する前にファンがふるい落とされているから。
作家でなくてもこうした女性起業家は……証券会社勤務の経歴を持つマーサ・スチュワートはその規模において別格としても……何らかの社会人経験者あるいは、それをサポートするスタッフに初期から恵まれている場合が多い。
そういった社会経験・客観視点を補填できるスタッフが別にいない可能性が高く、かつ自分でそれを維持できるだけの社会経験を持っていない女子大生では、「♪さきっちょ&はあちゅう♪の悪あが記」みたいに、人気を呼んでも、問題を起こす状態に陥るのは今後も増えてくるかもしれないなぁと思った。ましてやネットスクラムを避けるための方法論みたいなものは、まだまだ構築中の部分もあるし、オイラも勉強中だし。……というかマーサとか見てるとなかなかイメージコントロールって大変だなと思う。
ビジネススキーム構築とは少し違うが、一般社会性とは違う部分を持った新聞記者とかがフレームを起こすのもある種、同根なのかもしれない。もっともそこまで炎上現場をいくつも観察したことがないから、一度、炎上現場をその熱気と共に見た方がいいんだろうが……時間がないなぁ。