ライトノベル完全読本Vol.2が出て色々

大体、出た直後辺りから色々な意見が一ヶ月くらい出まくって、それが二カ月目くらいから落ち着くパターンを毎度繰り返している。いや、今回も発売日から大変です。まだ関係者各位にお礼のメールが書けず申し訳ないです。
さて最後にまとめようと思っていながら書く暇がないのだが、

ライトノベル完全読本が出て意外だったこと その3

ライトノベルというよりも、「自分が若い頃に影響を受けた小説・アニメを含むコンテンツ文化一般」について今語っておかなければマズイという風に思っている人が非常に多いということ。
これがライトノベルブーム以上に、ライトノベル完全読本が売れている理由の一つでもあるんじゃないかなぁとオイラは思っています。
おそらくSFを中心にして、そろそろSF第一世代(オタク的な世代で言うとマイナス1世代あたりになるが)で鬼籍に入る人が多くなってくると同時に、今回の序文にあるとおりに、コンテンツ的に弱含み観がでてきているのも影響していると思う。
インタビューも、Vol.1の平井和正、Vol.2の夢枕×秋山対談にせよ明らかに取りやすくなってきている事から見ても間違いない。
その意味で、割と歴史的な事象をまとめなきゃという感覚は編集サイドの根底にもあるかも。ここでインタビューを取っておかないとマズイみたいな……。ひょっとしたら夢枕×秋山対談なんて、10年後くらいに「すばる」でやるかもしれないけれど、それを現時点において「作家志望の中高生」に見せておくことに意味があるわけなので。
そうした中、ライトノベル☆めった斬り!の面白さは凄いなぁと思う。この値段はむしろ安い。評論としても非常に良くできている。
70年代から80年代までの周辺領域は、もちろん、野田昌宏の本や小説道場などを読んでいるという前提であれば、<現在入手可能な本>という括りであっても中高生が追跡しようとしても出来る程度に充実したのじゃないだろうか?
半面、漏れている部分として次は「90年代前半」と「ゲーム」だよなぁというのもよく分かる。作家名でいうと「あかほりさとる」「冴木忍」「神坂一」とか。
この辺りを語るには色んな諸条件を満たす必要があったのだけれども、2冊だしてそれがようやく揃ってきた。
冴木忍」の名前をとうとう出してしまった。女性ライターとかネット言説の中で、どこかに「冴木忍」が出てこないかと目を皿のようにしてみていたのだけど、「あかほり」「神坂」以上に出てこないので、ちょっと困っています。だれか「冴木忍」評論をやってくれる人はいないでしょうか?
【うわ、冴木忍ってひょっとしてはてなキーワードにすら入ってないのか! やばいな、こりゃ】