蘇東坡に敬意を表しつつ、東坡肉(トンポーロー)の作り方

ストレスがたまった時の解消法として、料理があるのだが、この間は東坡肉(トンポーロー)を自作した。
なんというか、「きのう何食べた?」みたいだけれども、確かに料理をしたり、その後片付けをしたりすると、ストレスがなくなってくるのは不思議だよね。
きのう何食べた?(1) (モーニングKC)
東坡肉とは、中華風な豚角煮なんだけれども、包丁を使い慣れてなくても、時間と根気さえあれば美味しいものが簡単に作れる。作りおきしておいたのをパックに入れて持って行くのもらくちん。だから持ち寄りパーティーとかでも、近所のスーパーで青梗菜を買って、これをちょいと炒めて一緒に出せばちゃんとした酒肴にも、主品にもなるから便利なのである。
もう何年も作り続けているのだが、前回、工夫したレシピが非常に好評だったので、知人に知らせる意味でも書いておく。
東坡肉は、中国の詩人・蘇東坡(蘇軾)から名づけられたっていう意味でもちょっと面白い。

蘇軾 - Wikipedia

材料
豚ばら肉(三枚肉) 1Kgから1.3Kg
ネギ 3本から4本
青梗菜 3束
生姜 薄切りしたものを4枚ほど
三温糖 80g
醤油  150cc 
日本酒 100cc
梅酒  50cc(紹興酒150ccが本来だがそれを梅酒で甘みを代用)
ハッカク 2個
片栗粉 大さじ2杯

ここで素材の注意事項
◆本当は皮付きの豚肉がいいのだけれども、肉屋に頼まないと手に入らない場合が多いので、普通に肉のハナマサなどで買う。だいたい1300円ぐらいで買える
◆中華素材に拘るのであれば、酒は紹興酒を使いたい。まぁ日本酒(料理酒)でも十分に代用できるのだけれども、色々試してみたところ、梅酒を多少混ぜると、日本酒だけではでない甘みが加わって美味しかったので、自己流では多少梅酒を混ぜています。
◆白砂糖よりは、三温糖の方が甘みが優しい感じがして好きかな?
◆ネギは、青い部分だけ使うのが正式らしいけれども、全部使ってます。何時間も煮るので青い部分を食べない関東圏の人でも、大丈夫。
◆どうしても欠かせないのが、ハッカク。この匂い付けがないと、中華風である意味がまったくないのと、とにかく豚の臭みを消してくれる清冽な匂いが食欲をそそります。

調理手順
1)豚肉を沸騰したお湯で1時間茹でる
豚肉を塊のまま、沸騰したお湯に入れて1時間茹でます。
別にほっておいてもいいのだけれども、アクをすくっておきたい。わが尊敬する土井善晴のようにアクはちゃんと水を張ったボウルですくいたい。そうするとおタマの裏についたアクも取れる。
ゆでてアクとりと同時に不要な油も取ることで、コラーゲンのぷよぷよの食感をより純粋に楽しめるようになる。
そうそう、茹で汁は後で使うので捨てるなよ。
2)熱いうちに豚肉を3センチ大の角切りにし、バットに取った醤油に浸す。
茹で上がったら肉塊を取り出して、5センチ大に角切りにする。できれば綺麗に直角に切りたい。東坡肉(トンポーロー)は祝い料理でもあるので綺麗さが重要。立方体にする必要はなくて、真皮と肉が一緒に味わえるような直方体でOK。そうしたら熱いうちに醤油を入れたバットに漬ける。念のため書いておくと材料の醤油とは別だぞ。熱いうちに醤油を染み込ませることで、出来上がりの色合いが美しい飴色になるのだ。
3)醤油を付けた豚肉を油で揚げる。
ここが和風の豚の角煮とトンポーローを分ける部分の一つ。こうすることで、長時間煮込んでも型くずれしないようになる。醤油付きの豚肉を揚げるので油もすぐ焦げてしまうので、手早くやりたい。そんなに固く上げる必要はないと思う。
4)材料を入れて4〜5時間煮込む。
豚肉、ネギ、煮込み様の調味料、茹で汁2カップ入れて、豚肉がたっぷり浸かるくらいの水を入れて煮込みスタート。
沸騰したら弱火にして、そこから4時間以上煮込む。スープが少なくなったら、茹で汁を足す。
ここまでくればあとは時間をかけるだけだ。
5)煮込み終わったら、火を止めて一晩おく
塊のまま作るトンポーローの作り方もあって、そちらのやり方では一晩寝かせるのが普通らしい。ただこちらは先に角切りしているので、別におかなくてもいいとは思う。ただなんとなく寝かした方が、茹で汁で出てしまった肉の味が、再度、染み込むような感じがする。醤油や砂糖の量は調理本にでているものよりちょっと絞っているので、個人的にはこの寝かせ作業も重視している。一晩寝かすと白いラードが上で固まるのだ。
6)片栗粉でとろみをつけて出来上がり
一晩おいたものを火をつけて温める。片栗粉を大さじ二杯ほど入れてとろみを付けるのだが、これはお好みで。
シャクシャク感がなくならない程度にさっと炒めた青梗菜を盛りつけた大皿に盛りつける。

つけあわせとか調味料にはもうちょっと工夫が出来ると思うので、それはお好きに〜。