「バオー来訪者計画」やら「ファイアスターター」を期待してしまう、CIA非合法活動報告書の公開。これはスゴイ一級資料らしい……。

CIAが冷戦時代に行っていた非合法活動計画書が公開されるとのこと。
日本経済新聞

CIAの非合法活動の報告書公開へ
【ワシントン=共同】22日付の米紙ワシントン・ポストは、要人暗殺計画や盗聴など米中央情報局(CIA)が1950―70年代に行った非合法活動に関する報告書が機密解除され、来週公開されると報じた。数百ページの報告書には、カストロ・キューバ国家評議会議長の暗殺計画の詳細などが含まれるとみられる。
同紙によると、報告書には(1)ベトナム反戦運動の闘士として名をはせた女優ジェーン・フォンダさんらを対象にした私信の極秘開封(2)ジャーナリストの電話盗聴、行動監視(3)民間人に対する試験的薬物投与――など、法律で禁じられるCIAの国内情報活動の実態も記されている。
ヘイデンCIA長官は「(非合法活動が)あからさまに書かれているが、それもCIAの歴史だ」と述べ「世界最強の情報機関」の暗部に光を当てる意義を強調した。

記事自体が短くて、なんとも味気ないのだけれども、冷戦時代の非合法計画が色々と明らかにされるというのはむちゃくちゃ興味深い。
この数百ページの報告書、どうにかして手に入らないかなぁ。それともネットで公開されたりもするんだろうか? コピーを持って置くだけでも資料になるよ。
まぁ暗殺計画などをみるのも面白そうだけれども、個人的な興味を一番引くのは

(3)民間人に対する試験的薬物投与

でしょうか? まぁほとんどは自白剤とか何だろうけれども、やっぱSFファンとしては、ここは超能力が覚醒しちゃう秘密計画とかを期待してしまうなぁー。そう言うと想い出すのは、スティーブン・キングファイアスターターが筆頭に来る。

ファイアスターター (上) (新潮文庫)

ファイアスターター (上) (新潮文庫)


この新潮社の絵がまた怖いんだ、これが。
ファイアスターター (下) (新潮文庫)

ファイアスターター (下) (新潮文庫)


CIAに繋がる秘密組織の名前は実はCIAに繋がる組織「ザ・ショップ(店)」。その実に陰湿な感じが良かった。生まれながらにして強力なパイロキネシス=発火能力を持つ少女チャーリーというのは、漫画家の椎名高志も度々描いている。
この「超能力を持つ危険な赤ん坊を如何に育てるか?」という描写の雛形にもなった作品という意味で印象深い。
ファイアスターター - Wikipedia
映画版だと「炎の少女チャーリー【字幕版】 [VHS]」ですね。ドリュー・ヴァリモアが可愛かった。映画の出来はまぁあまり良かったような気がしないけど。
日本の作品で一つ例を挙げるのであれば、個人的な趣味丸出しになるけれどもやはり「バオー来訪者」になってしまうなぁー。秘密機関「ドレス」という名称が初めて出てきた辺りからカッコイイ。
DRESS=Duel Resarch Especial Secret Society『戦闘研究特別秘密結社』
やはり秘密機関の名前はこういう普通名詞をあやしく使うとセンスがにじみ出てくるよね。
バオー来訪者 - Wikipedia
そういう意味では、CIA下部秘密機関の名前とかわかるだけでもOKって感じか。
フェノメノンって英単語もバオー来訪者で覚えたナー。
バオー 来訪者 (集英社文庫―コミック版)

バオー 来訪者 (集英社文庫―コミック版)


来週の公開待ちで色々を追っかけてみよう。
【追記】
mixiで書いたら、なんか色々と続報が……。シナリオライターとか作家から含めて、結構、追っかけたがっている感じだ。
ちなみにネタとして書いたコレですが。

(3)民間人に対する試験的薬物投与

おそらくはCIAによるLSD投与実験ではないかとのこと。
History House: LSD and the CIA
LSD (薬物) - Wikipedia

1950年代に入り、ついにCIAはまだ当時あまり知られていなかったLSDを入手した。そして行われた最初の模擬尋問の実験は非常な好結果(被験者は機密の詳細を吐いてしまった上、トリップ終了後には機密を洩らしてしまったことを覚えていなかった)であったため、以降LSDは研究の中心となった

その中で、CIAが売春宿を作って、そこに来た客にLSDを投与して経過を観察したという話。その後、客はほっぽらかしておいたと言うからヒドイ。
そこで色々とググってみたら元SFマガジン編集長で、現在はUFO研究家の南山宏さんの原稿も見つかった。
Uipjapan.com

アメリカでは50年代から、CIAが強制自白剤の研究と洗脳技術の開発を目的に、暗号名"MKウルトラ"という極秘の"MC"実験プロジェクトを開始していた。志願者、兵士、囚人、精神病患者などを実験台とするこのプロジェクトは70年代初頭まで継続されたが、LSDやアンフェタミンなどの薬物を大量に使い、催眠術や拷問を乱用したため、被験者の中には廃人や死者まで出たという。

うわぁこれはひどい。
他にもCIAの直接関与を指摘していたパトリス・E・ルムンバ抹殺の真相と、ダグ・ハマーショルド国連事務総長の「墜落死(資料によっては暗殺と明記)」など、とんでもないのが出てくるかもしれないらしい。
どっか翻訳しないかなぁ? どこの政党でも絶対、翻訳文書をつくると思うんだけど、なんとか入手できないだろうか?