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「次世代のスタジオジブリ」という言葉に弱い、広告代理店・TV局・出版社などエトセトラ

仕事があるのだけれども、資料調べや頭使う仕事であるため、なかなか進まない(ホント申し訳ない)。
アイディアが降りてくるまでの筆休めに、昨日かいたエントリの補足として、タイトルみたいなことをボチボチと書いてみる。
日本映画興行成績の中で、ナンバー1を誇っているのが、2001年に公開された「千と千尋の神隠し」(東宝:304億円)だ。
言うまでもなく、これは天才・宮崎駿監督だからこそ成し得たわけであると同時に、すでにとても良い意味で産業化していて多くの利益を日本のアニメ業界のみならず、TV局・広告代理店etc.にもたらしてくれている。
夏休みの定番になっているけれども、ジブリ作品を放映すれば、現在でも高視聴率を取れるというのは、TV局にとっては非常にありがたいコンテンツだ。

ジブリ作品の日テレでの視聴率記録(誰か続きを更新してくれ!)
宮崎駿&スタジオジブリ作品テレビ放映リスト・視聴率付き

だからこそ、これを有していたスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーは、まさに名実ともに日本一のプロデューサーだったし(いや、今もそうなのかな?)、ドワンゴ会長である川上さんが弟子入りしちゃうのもむべなるかなという感じである。
【ここで鈴木敏夫さんと押井守さんと日テレの話を書こうと思ったけれど、誰も幸せにならないし、これは単なる筆休め話なので割愛】
質の良いアニメを作れば、それがビジネスとなるというのが分かっている以上、ディズニー&ピクサーに対抗してドリームワークスがアニメに進出したのを例に引っ張り出したりなんかして、
「では次にスタジオジブリになるところはどこか」
という話が出てくる。
でも、そういう話をするのは、業界の外の人間やウオッチャーであって、新聞やテレビ局、出版社、広告代理店、様々なプロデューサーが絡むと、むしろもっと話はややこしく、
「次世代のスタジオジブリを作ろう」
という話になってくるわけだ。
豆柴、豆柴……。
ゼロ年代の前半にそうした動きがもっとも活性化していて、その時に候補としてあがってきたのが、プロダクションIGGONZOだった(その後もマッドハウスとか、色々なスタジオが遡上に上がっていくのだけれどもまぁそれは置いておく)
その頃、日経から色々と相談受けていた状況があったんだけど、まさにGONZOを上場しようとしていた時期だったので、あちこちが観測気球を上げまくっていたのがとても印象深い。日経周辺の様々なメディアで、プロダクションIGやらGONZOの特集号が組まれているという、ちょっと異常な時期だった。
私が日経に顔出していたのは、「これからのオタクコンテンツの中軸は、ライトノベルになるよ」という案件で、実際、その通りになった(むしろなり過ぎた)んだけど、実は当時はラノベはまったく重視されていなくて、とにかくこの二社を上場させて、アニメビジネスで回していくぜ!みたいな雰囲気がゼロ年代の初頭にはあった。
特にそれに大きくコミットしていったのがフジテレビのプロデューサー・亀山千広だった。
簡単に背景事情を書くならば、「踊る大捜査線」がない年に、大型のアニメ映画をブロックバスターとして公開できればというのが大きい理由だったように思える。
要するに「踊る大捜査線2」→「次世代ジブリ映画」→「踊る大捜査線3orスピンオフ」→「次世代ジブリ映画」……みたいな感じで続けられればというモデルだったようだ(まぁそれに中規模作品的に三谷幸喜を絡めたりとかね)。織田裕二関連で毎年、踊る大捜査線作れるわけじゃなかったし。
で、その中で原作としてフィーチャーされたのが、宮部みゆきブレイブストーリー」だったわけだ。
ただ結果からすると「ブレイブストーリー」は周囲の思惑ほどの大ヒットにはならず、以降、海外翻訳ものの「ペギー・スー」のアニメ映画化などが浮かんでは消えていって、結局、GONZO自体も「ブレイブストーリー」がダメージになって消えていった。
「いや……世の中には、いい作品云々ではなくて、金だけ欲しいという人がいるんですよ」
みたいなことをGONZOの社長が仰っていたのがとても印象的だったなぁ。
こういう周囲の思惑通りにいかなかったビジネスモデルというのは、大御所が関わっていればいるほど、呪いのように延々と残っていくものであって(特に電通だと)、以来、いろんな形で「次世代のスタジオジブリを作ろう」みたいなのとか、そのフォロアーが耳に入ってくるようになったりする。
勿論、それには「次世代のジブリ」ではなくって、「ジブリの次世代をどうする?」という問題が絡んできていたのが、一層、自体をややこしくしている。
【この話は何年も前にいっぱい書いたし、『コクリコ坂から』の話題を色々書いても誰も幸せにならないような気がするので割愛】
で結局、明らかになってきたのは、日本のあらゆるアニメ監督の中で、クオリティ優先な作品作りを視野に含めながら、自力でアニメ映画資金を集められる監督っていうのは、3、4人しかいないって事実だった。
個人的には5、6人と言いたいのだけれども、でもやっぱり厳密に絞ると3人だよなぁ。
で、さらにこの3人の監督の作品で、
「女子小学生〜女子中学生が見に行きたい認知のある作品」
という風にデータを拾っていくと、やっぱり残るのは、現時点では宮崎駿監督だけになってしまう。
ところが「劇場版けいおん!」に関しては、なんか突然、そういうデータが市場調査で出てきてしまったので、みんな困惑しているのだ。
【ここで昨日のエントリに繋がる】
はっきり言って、女子中学生の好感度だけなら「コクリコ坂から」のデータを越えてます。
超びっくり。
まぁ確かにいくら少女漫画を原作としていても、舞台は学生運動時代だし、前作が「ゲド戦記」だからねぇ。
女子中学生が見に行こうとは思わないわな。
で、そんなデータが出てきちゃったものだから、またゼロ年代初頭の「次世代のジブリを作ろう」みたいなのとくっついたり、「金曜ロードショーのスタジオジブリよ、永遠なれ」みたいなのとかが出てきたりとか錯綜しはじめているのが現状みたい。
なんか個人的には、みずほ銀行やらのコンテンツファンドを覚えている人が頭を抱えて、
「延焼は嫌でござる」
っていっていたりするのも……げふん、けふん。いやはや。
さすがに「京都アニメーションが次世代のスタジオジブリだ」なんてことは、私の口から言えないし、個人的にそうとは思わないけれど、市場調査のデータだけ見ると、そういう相似形を描いているのが、とても興味深いし、それに踊らされちゃう人もいるだろうなーって感じでしょうか。。
やー、どうなってしまうんでしょう。
とココまで書いた所で、招集がかかりそうな雰囲気になってきたので、文章の装飾もせずにアップしておく。