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セクシーSF映画『バーバレラ』のリメイクが、元・美少女子役にもたらす救済

【大体、書き終えた】
昨日は伊藤計劃さんの『ハーモニー』英訳版がフィリップ・K・ディック賞へノミネートされたというニュースにSF業界のタイムラインが沸いたのですが、なぜかそこから
「そういえば『ハーモニー』の百合姫でのコミカライズは進んだの?」
(中略)
「SF作家の性的妄想の中核には『バーバレラ』ってあるよね」
みたいに話題が転がっていく。我ながらなんて中学生みたいなんだと思いつつもWikipediaを検索してみたら、
『バーバレラ』のリメイク権は、ドリュー・バリモアが持っていて、ロバート・ロドリゲスがもうすでに動いている
という記述をみて、もう目が点に成るぐらいびっくりしてしまいまいした。
……と書いても、若い人にはなんのことやらわからないだろうから、説明を。
バーバレラ - Wikipedia

バーバレラ [DVD]

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フランスの劇画家ジャン=クロード・フォレストによる人気SF劇画を、耽美派ロジェ・バディム監督が映画化したエロティックSF活劇。時は宇宙歴4万年、宇宙破壊光線を完成させた悪党デュラン=デュランを追って、とある惑星にやってきたバーバレラ(ジェーン・フォンダ)の活躍を描いたものだが、数々のキッチュな美術やセット、そして無重力ストリップや間接SEX拷問などなど、製作当時のサブカルチャーを反映させたポップでかっとんだセクシー・アイデアも満載。
またヒロイン、J・フォンダのエロティシズムがもっとも過激に発散されまくっているという意味でも、お楽しみは多数。その後の日本の劇画や映画、TVなどにも与えた影響は大きく、今なおひそかなファンの多い作品。(的田也寸志)Amazonの商品説明より

ジャンル分けするのであるならば、カルトなB級SF映画と言えばいいだろうか?
けれども若さ溢れるジェーン・フォンダの魅力と、チープながらも性的暗喩の溢れたガジェットが奇跡的にキッチュな魅力を産み出して、
世界中のSF少年の心(と下半身)を鷲掴み
にした映画である。そんなモノを鷲掴みにして何が楽しいのかと思うのかもしれないが、そんな考えは、萌えがこれほどまでに商売になっていることを考えれば解るよね。若者の下半身を掴むことは重要なんすよ(まぁ過度なのは良くないよね)。
とりわけ有名なのが、オープニングタイトル。
ジェーン・フォンダが、キラキラした宇宙服をストリップさながら(というか、もろストリップ)のように脱ぎ捨てていくというもの。YouTubeにも貼ってあるのでちょっと引用しよう。

年齢制限があるのでお子様は見ないように。まぁ今見ると間延びしていて長閑なもんだけど、可愛さみたいなのは伝わってくるよね。
どうでもいいが、この宇宙服のヘルメット、本当に亀頭にしか見えん。また変な感じでジェーン・フォンダの顔が見えるようになるんだ、これが。
制作年代が制作年代なんで、僕もTVの深夜放映ぐらいでしか『バーバレラ』を観たことないのだけれども、
横溢するセクシャルなSFイメージはハリウッド映画のみならず、日本においても様々なフォロアーを産み出してきた。
バーバレラのOPをオマージュした今井美樹出演の三洋電機のCMというもあって、バーバレラで検索すると引っかかるのでついでに貼っておく。

BGMは覚えていたけど、さすがに映像としては覚えてなかった。変なCMだ。
今井美樹が大丈夫か、心の底から心配になる出来だ。
ラストに出てくる「SANYO 人と・地球が大好きです」というメッセージを見ると
お前が好きなのは「人と・地球」じゃなくて、「HなSFお姉さん」だろう
と言い返さずにはいられない気分になってくる。
深夜アニメならともかく僕はこんなのをクライアントにプレゼンする勇気はない。
よくスポンサーが通したもんだ。
同じような『バーバレラ』のフォロアーとしては、例えばフランシス・コッポラの息子で、ソフィア・コッポラの兄でもあるローマン・コッポラが2002年に公開した『CQ』がある。

CQ ゴージャス・エディション [DVD]

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コッポラ監督を父に持つ、ローマン・コッポラの映画デビュー作。69年のパリを舞台に、2001年を想定したセクシーSFスパイ映画製作に熱中する青年の姿を描く。映画監督になった主人公は、必死にSF映画の編集をしていくのだが、主演女優に恋するあまり、次第に映画と現実の境界が曖昧になっていく……

僕も予告編だけしか観たことないんだけど、ちょっとDVD買いたいなぁと少し触手が動いているところ(この文脈で使うとマズイ意味に思えてくるな)。コッポラ長男のセンスの良さは出ていたけれども、変な映画だったようだ。

そう考えていくと、
リュック・ベッソンが子供の頃、原案を考えたというプロモを信じて見に行ったら、本当にラストが子供が考えたようなオチになってしまい、構想何十年って本当に意味が無いんだなと骨身にしみるフィフス・エレメントや、予告編しか見る価値がないイーオン・フラックス伊集院光が本当に絶望したTRON:LEGACY』(この監督が『ブラックホール』のリメイクをすると聞いているのだが、ディズニー&ラセターが狂ったとしか思えない。僕もSF映画の途中で寝るという信じられない状況に追い込まれた)とかの、ボディラインが直接出る素敵SFヒロインは、大枠に置いて「バーバレラ」影響下に置かれたと言ってもいいのかもしれない。
もちろん、その影響力は日本にも及んでいて、
寺沢武一は『バーバレラ』直撃世代だったりする。
『COBRA』最大のヒロインである、ロイヤル三姉妹の一人で連邦捜査官《ジェーン》は、多分、本作のジェーン・フォンダのオマージュだろうしね。
また『バーバレラ』はジェーン・フォンダの衣装が多彩なのも楽しいところ。なんかこの記事書いているときに目にしたブログに書いてあったのだが、
えんえんと11PMのOPが続いているようなSF映画
と表現されていた。なんというか、まさにその通りなのである。この感覚は学生時代に11PMを見ていた男子じゃないと分からないだろうけれど(笑)。
それとアメリカ版のWikipediaの項目を見ると年代別に細かく『バーバレラ』のフォロアーが書いてあって面白い。
Barbarella (film) - Wikipedia, the free encyclopedia
2000年代に『バーバレラ』の影響を受けた漫画家としてCLAMPが上がっているのも興味深い。
CLAMPのコミック『不思議の国の美幸ちゃん』の一話、『テレビの国の美幸ちゃん』は、『バーバレラ』の深夜放映を寝ちゃって見逃していた主人公の美幸ちゃんが、TVの中のセクシャルSF世界に迷いこんでレズられるという話らしい。
まんまやん。
まぁこの漫画は、そーゆーCLAMPが大好きな「大概な倒錯的ストーリー」を楽しむのが肝なんだけど。

不思議の国の美幸ちゃん (角川コミックス・エース)

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さて、こんな風に製作者や出演者の意図をはるかに超える範囲で、セクシャルB級SF映画としてカルト化してしまった『バーバレラ』だけれども、主演のジェーン・フォンダ自身は、当時の夫が監督でありながら、どうにも自分の経歴から消したい映画だったようだ。
一説には本人嫌がったんだけど、契約上やらされたという話もあるけど、何人も愛人を作って母親を自殺に追い込んだ父ヘンリー・フォンだとの確執から、反戦運動や女権拡張運動へとのめり込んでいくジェーンの生き様を見ると、こんな性的メタファーに満ちた映画なんてキャリアから抹消したくなるのもむべなる哉と思う。
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(北ベトナムで反戦活動しているジェーン・フォンダ。通称ハノイ・ジェーン。どう考えてもやり過ぎ)
ましてやそれがセクシャルSFヒロインとしてアイコン化されて、粘着気質のファンにストーキングされたらねぇ……。
少なくとも描写の過激さにおいて、飯島真理リン・ミンメイ平野綾涼宮ハルヒキャリー・フィッシャーレイア姫どころの比じゃないわけだし。
けれども傑出したアイドル映画がすべてそうであるように、「主演女優の旬」「監督の女優への愛情」が合致した瞬間が、この映画には明らかにあって、だからこそ未だなおファンが多いのもうなずける奇跡的な映画になっている訳だ。
で、そこで面白いのが、そんな俗っぽさの極みたいな本作が、なぜか
ホーソーンの「緋文字」のように、聖と卑が反転した強力なICONとして、ある種の女優たちを惹きつけているのがたまらなく興味深い。
『バーバレラ』のリメイク権をドリュー・バリモアが持っていて、リンジー・ローハン主演でそれを撮ろうとしていたんだよ?
さて、ドリュー・バリモアというと今では何を連想されるのだろう? 僕の世代だとなんといっても『ET』と『炎の少女チャーリー(原題:ファイアスターター』)の二つの映画が印象的だった。
三代続くバリモア家という芸能一家に生まれたため、デビューは早かったドリューだけれども、天才子役にありがちな10代そこそこでアルコールとドラッグというピットフォールにハマり、無茶苦茶な青春時代を送ることになった。ところがそれから復帰すると、まるで送れなかった青春時代を取り戻すように、「ダメな女の子の私」をメタ的に捉えるような役を次々とこなすようになる。
それは自身が製作に入った作品に顕著で、いじめられっ子高校生活を潜入取材で取り戻す25年目のキスとか、性格はいいんだけどレッドソックスの熱狂的なファン過ぎる彼との恋愛に悩む『2番目のキス』などは、色んな意味で現代的に痛すぎて評判になった。
2番目のキス (特別編) [DVD]

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キャリア・ウーマンのリンジーは30間近の独身。大きな仕事は任されるし、友人もたくさん、人生順調組を歩んでいた。そんな彼女の前に、高校教師のベンが現れ、リンジーに一目ぼれをした。こうして2人の恋は順調にスタートした。ところがある日、リンジーの両親に会う日を目前にして、ベンが予定をキャンセル。この日から、ベンがレッドソックスの熱狂的ファンであることが判明! ソックスに何よりも情熱を注ぎ、リンジーにも一緒に観戦して欲しがるベン。リンジーも彼にあわせようと頑張るが、仕事はたまるいっぽう。互いにすれ違いを感じるようになってきたリンジーとベン……果たして2人の恋の結末はどうなる?

で、自身の映画製作会社《フラワー・フィルムズ》での『チャーリーズ・エンジェル』シリーズは大ヒットを飛ばし、その成果を持ってハリウッド映画の中でもちゃんとした位置を確保したのには、正直驚いた。
昨年見た映画の中で、ドリュー・バリモアの初監督作品ローラーガールズ・ダイアリーは、去年のベスト10に入る傑作で、正直、弱々男子の傑作恋愛映画『(500)日のサマー』にも匹敵するんじゃないかと個人的には思ってたりする。……まぁアメリカでも男子はこんなに弱いのかという点でも驚くんだけど。

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

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テキサスの田舎町に住む、普通の女子高生ブリス。
保守的な母親から、美人コンテストで優勝したら将来きっと幸せをつかめると言い聞かされ、コンテストへの参加を強いられる日々に飽き飽きしていた。
そんなある日、“ローラーゲーム”の存在を知った彼女は、試合を観て完全に魅了される。
そこに集うのは、年齢も仕事も多種多様、<女らしく>なんて気にせずにワイルドにぶつかりあい競い合う、いきいきと力強い女性たちだった。
ルールすら知らずに、親に内緒で年齢を偽って新人発掘トライアルに参加したブリスは、ずば抜けたスピードを見染められ、入団決定!!
選手として才能を開花させながら、年上のチームメイトたちと友情を育み、バンドマンの彼氏もでき、ブリスはやっと<自分の居場所>を見つけたと思えた。
しかし、彼女の活躍は内緒にしていた家族の耳にまで届いてしまい、チームにも本当の年齢がバレ・・・。

主役を演じたエレン・ペイジが、初恋のバンドマンと初体験するシーンは、夜のプール(!)で、二人が泳ぎながら服を脱いでいくシーンがすごく綺麗で、監督としての才能に本当に驚かされた。ストーリーは本当に王道なんだけれども、それを初監督作品でちゃんと撮ることができたことは、いくら評価してもしたりないと思う。
そんなドリュー・バリモアが、同じく天才的な歌手&俳優としてティーンアイドルの頂点に上り詰めながらも、ハチャメチャな私生活で、いまやゴシップガールとしての方が有名になったリンジー・ローハンで、『バーバレラ』を撮りたかったらしいというのだから、話は複雑になってくる。
ちなみにリンジー・ローハンといっても解らないSF者も多いだろうから写真貼っておくとこんな感じ。
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(左がフォーチュン・クッキーに出演して、その演技が絶賛された頃のリンジーで右が現在。なにこの変貌?)
ドリュー・バリモアの『バーバレラ』の入れ込みを見ると、プールのシーンにも別の意味が込められている気がしてくる。いやだれもここで『さよならジュピター』を思い出せなんて言ってないからね。
(『ローラーガールズ・ダイアリー』主演のエレン・ペイジも、『ハードキャリー』『JUNO-ジュノ』とか演じてきたキャラクターキャリアを見ると色々と考えさせられるのだけれどもまぁそれはまた次の機会に)
で、現在、実際に再映画化を推進している(まぁ止まっているらしいけど)のが、「漢」ロバート・ロドリゲス。主演は自分の事実婚の相手であるローズ・マッゴーワン
今回、Wikipediaを読んで
「あれ? 『スパイキッズ』などを作る良いお父さん&漢の友情と義理に堅い映画監督というイメージだったロドリゲス監督、離婚しちゃったんだ〜」
とか思っていたのだけれども、相手が魔女ローズ・マッゴーワンじゃしょうがない。
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(魔女にしか見えないローズ・マッゴーワン。怖い)
日本だとTVドラマ『チャームド〜魔女3姉妹〜』で有名なローズ・マッゴーワンだけれども、両親がファミリー・インターナショナルという、「セックスを使って、神の愛を表現し、改宗者を獲得するという"浮気釣り"と呼ばれる福音伝道の方法」をとるカルト教団だったため、15歳の時に法的に親から独立しています。なんだそりゃ!
ちなみに町山智浩さんの本を読めば分かりますが、『チャームド〜魔女3姉妹〜』には、天才子役で『ビバリーヒルズ高校白書』で人気になりながら、プロデューサーを批判して干されてたシャナン・ドハーティーという魔女も出ています。実在の魔女だらけだよ、このドラマ。
『バーバレラ』のリメイクに、ドリュー・バリモアリンジー・ローハンローズ・マッゴーワンが関わってくるというだけで、正直、お腹いっぱいになっているんだけど、こんな風にB級カルト映画が、幼少時から才能があったゆえに、周囲の社会から傷ついてしまった女性たちへの「救済」として機能しているのをみると、本当に不思議であると同時に、ちょっと複雑な気持ちになってくる。
ちなみにもし日本で『バーバレラ』をリメイクするのであるなら、
現在なら黒木メイサ主演を強く押す
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2010年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞 | 破壊屋
昨日更新された大人気サイト↑を見ればわかるが、黒木メイサはCMのダイワマンレディーも含めて駄作に出過ぎ!

黒木メイサは『大帝の剣』『ベクシル』『昴』『ASSAULT GIRLS』『矢島美容室 THE MOVIE』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』と大駄作ばっかりに出演しているので、もうちょっと仕事選べよ!

せっかく、
「生臭さが皆無だから、SFオタクが見ても引かないゴージャス美人」
という稀有な美貌の持ち主なんだから、ここで一発、「バーバレラ」日本リメイクに出て、B級映画を卒業するというのが美しいキャリアアップだと思う。