◆簡潔で分り易い、水島吉隆「写真で読む昭和史 占領下の日本」
- 作者: 水島吉隆,太平洋戦争研究会
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/12/09
- メディア: 新書
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現在、集中的に集めている戦後史の写真資料の一つとして購入したのだけれども、これがまた非常に簡易にして概略がわかるので非常に便利。安いし最近に出た本としては入門編としてベストかもしれない。
アメリカに接収された建物リストや、GHQが関与したと言われる謀殺事件、極東軍事裁判の判決リストまでがサラリと触れられていて読みやすい。
ちょっと同著者の本を見てみようかなという気にさせられる構成力の上手さが光る。
占領直後の概観を見るという意味では、
- 作者: 早川いくを
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2010/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もとても読みやすくてお薦め。僕はこれを読んでいて、白洲次郎以外に何人もの魅力的な脇役を見つけられた。早川いくをの語り口の勝利だろうか?
◆3月のライオン 5巻
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: コミック
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個人的に羽海野チカの「3月のライオン」は、結構、読むのに難渋しているシリーズの一つ。「ハチミツとクローバー」では描ききれなかった【天才の人生】みたいなのを描こうとしているのはわかるのだけれども、そのために主人公の周りに置いたあるガジェットが、あまりに主人公にとって過保護?な感じがするよーな。
今回、主人公の敵役だった後藤棋士に「実は難病の妻が居ます」という設定が明らかになる。天才棋士・宗谷冬司には「京都」、島田開には「天童」とはまた別の意味で、地縁的な家族愛がありましたみたいな形になってしまう。う、うーむ??
「民宿雪国」とは違う意味で、作者がどこを目指そうとしているのかが読みにくい……というか、このルートで登頂できるのかな?という不安があるなぁ。
と同時に「天才の子どもを持ってしまった、血の繋がった父母」という恐ろしく書きにくいが、とても重要な問題提議みたいなものが、設定上において尽く廃されているのがなー。せめて早めに二海堂晴信の両親*1を出さない限りは、幸田家関連で急角度で斬り込んでいくしかないはずなんだけど、このペースだと、「ハチミツとクローバー」の時の森田家事情のように、最終巻でバタバタと書きこむことになりそうなところがちょっと不安か。
「小賢しい天才少年の自意識問題」は同時に、「小賢しい天才少年を持ってしまった両親の教育問題」でもあるんだけど。
*1:二階堂の両親って生きてましたっけ?