広告宣伝の成功と映画ヒットに繋がるためには「話題の種火」がなければならない。「ブレイブストーリー」「涼宮ハルヒの憂鬱」は次のステージはどうなるか?

電車の中吊り広告に「グラビア誌が行列『ネットアイドル』リア・ディゾンLeah Dizon)の正体」などという思わせぶりな記事が載っていたのでついついサンデー毎日を買ってしまった。結果的にほぼ知っていることしか載っていなかったので、なんつーか、スゲェソンした気分。
一応記事内容にもちょっと触れておくと、10月に歌手デビューが予定されているのだけれども、すでに「グラビア写真集」「映画に」「ファッションショーに」というオファーは引きも切らないらしい。やっぱり『スピリッツ』の「気まぐれコンセプト」で取り上げられたことで、一気に知名度があがったっぽい。
まぁ今現在、日本語も勉強中と言うことで、ブログによると、リア・ディゾンも「ゲド戦記」を見てきたのだそうだ。やはりドラゴンへの変身は唐突らしい(笑)
映画♪|Leah Dizon Official Blog(リア・ディゾン オフィシャルブログ) powered by アメブロ
ちぃ、リア・ディゾンと一緒に「ゲド戦記」を見られるのならもう一度、見に行ってもイイ
まぁ六本木ヒルズでは「ブレイブストーリー」の英語版をやっているとのことなので、そっちを一緒に見に行くのでも構わないけど……と何を書いているのだ俺は?

映画♪
2006-08-03 19:17:23
テーマ:ブログ

今日は『ゲド戦記』を観てきたよー♪
ストーリーが全く分からなくて、大変だったよぉ。
頭の中がごちゃごちゃでした。
だから、ただボーっと観てたんだけど、
突然ちっちゃな女の子がドラゴンに変身して。。。
日本はわけわかんない。って冗談だよ!☆
もっと日本語勉強しなきゃ!ファイト!☆★☆
xoxo
リア

Today I watched Gedo Senki.
I had a very hard time understanding what was going on. I was very confused. I was just watching and then all of a sudden the little girl turned into a dragon. Japan is so confusing. Just kidding!
I must study more! FIGHT!
xoxo
Leah

う〜ん、リア・ディゾンを枕としてつかったら長くなりすぎた(笑)
TVをほとんど見ることができていないので、今夏の三大アニメ「ゲド戦記」「ブレイブストーリー」「時をかける少女」の中で、果たして「踊る大捜査線」シリーズがない時のCXの映画枠としての切り札という名目でスタートした「ブレイブストーリー」が、どの程度までその要望に答えることが出来たのか、あるいはその後押しをCXが、ワイドショーや週刊誌などで広報宣伝活動をやっていたのかというのがいまいち分からない。

ゲド戦記」がヒットを続けている理由に関しては、切込隊長の視点は以下のようで、これはまったく理にかなっている。

 顕著な例で逝くと、最近一気にブーム終息となった韓流ブームである。詳細は省くが、テレビなどのマスメディアを利用した広告宣伝の量的集中投下を前提とした技法と、ワイドショーなど無料のパブリシティを組み合わせた技法のミックスで世間の注目を煽ることが大事である。W杯もそうだし、亀田さんの世界戦もそうだし、『日本沈没』もそうだし、たぶん『ゲド戦記』もそうだ。この場合、話題性と結果・評価はあまり連動しない。むしろ、結果や評価が芳しくなくても芳しくなかったなりに、自己の周辺で展開される話題についていければ効果があることになるのだ。作品やイベントが良いのか悪いのかは然程本質を突かない。亀田さんの世界戦の判定がおかしかろうと、『日本沈没』がくだらなかろうと、話題を志向してコンテンツを消費する人たちにとってはそれについてあーだこーだ語れればそれでいいのである。

まったくもってその通りであるが、もう一つ、「日本沈没」「ゲド戦記」がブームになった背景には、一連のコンテンツの追加投入という必要がある気がする。
もう少し分かり易く云うと、ワイドショーやマスコミで取り上げられヒットする前段階として、前作及びネットなどにおいて、「話題の種火」が存在することが重要なような気がする。
そうしないとマスコミ陣も、瞬間最大風速あおりとして、このコンテンツを取り上げて良いのかどうかが分からないのですよ。
ブレイブストーリー」に対して、電通や東宝、CXがどれほどの広告宣伝費を投入し、それが話題になったかどうかと云うのは、感覚としてもあまりデーターが無かったりするのだが、結構な額や時間を費やしたのは間違いない。
にも関わらず2週目にして、興行収入が一位から落ちたという現象は、やはり継続的な話題として続けるには、ゴンゾと宮部みゆき原作というだけでは、「話題の種火」が少なかったのだろう。
宮部みゆき」も色々と理由はあるけれども、ケレン味が少ない代わりに、文章的な美味さで読ませる部分が多いだけに、「理由」などを含めて、微妙に映画原作としては使いにくい部分がある。そのせいか部数とかを考えれば、石田・市川あたり原作の映画なんぞは、蹴散らしてもいいくらいなのに上手くいっていない。
そのためブレイブストーリー」は、前作から続く「話題の種火」をという観点で話題を提供することに失敗している感じがある。
この「話題の種火」という視野から見ると、「ゲド戦記」においては一連のジブリシリーズが存在したし、「日本沈没」には、樋口監督には「ローレライ」という前作があり、柴咲コウ草磲剛(草なぎ剛)には、「黄泉返り」という前作がある。「ローレライ」が興行収入25億円、「黄泉返り」がそれ以上のヒットを飛ばしたと云うことは、「日本沈没」に対して、ワイドショーやマスコミが時間投入するだけの説得材料となっている気がする。
韓流ブームの基盤となった「冬のソナタ」に関して云うと、やはりNHKでの継続的なTVシリーズと何度も繰り返された再放送というのは非常に意味が大きかったと思う。
そう言う意味で、一般層が話題にノりにくいオタクコンテンツであったとしても、瞬間最大風速としての広告宣伝は無論大事であるけれども、もう一つ「話題の種火」となりやすい長期に渡る良作の継続的な投入というのは、やっぱり必要なのかなと思う。
正直、ブレイブストーリーはそうなるためには予算を使いすぎているような気がするので、再来年も同じような規模の作品……はともかく、広告宣伝費を投入しろと云われても、なかなか難しいとは思う。
涼宮ハルヒの憂鬱」にしても、「フルメタルパニック」が良かったというのが、「話題の種火」になるかというと、さすがにそれは無かったわけで、上手くいくとしても次回作なんじゃないかなという気はする。。ま、R25の記事も次になると聞いてくるかもと思ってる。
となると焦点は「ゴンゾの次の映画作品」と「京都アニメーションの次回作」と言うことになるわけだが、まぁ内容も知っているのだけれども、果たしてそれが継続的な「話題の種火」投入にいたるかというのは、ちょっとまだ見えない。
同じようなステージにある作品として気になっているのは、映画版「NANA」の続篇であるところの「NANA2」なんだけれども、原作者である矢沢あいがTVアニメ版にご不満とか、ハチ役が宮崎あおいから市川由衣に変更になったというゴタゴタもあるので、ちょっとどうなるかは興味深くみていきたいところではある。