手塚治虫と時刻表

BigBang: 手塚治虫と時刻表
手塚治虫に関する逸話は本当に多いけれど、これは初耳なのでちょっと備忘録的に。
まぁ……一般常識というのを身につけるのを忘れてしまった職業人というのは多いし、実は私の身近にもいるのだけれども、これはなかなか凄すぎる。

ある地方で手塚先生の講演があり、先に現地入りしていた僕のところに、慌てた調子で手塚プロの社長から電話がきた。いつになくあせった口調である。聞けば、手塚先生と同行するつもりが一緒に来れなくなり、手塚さんが先に一人で来ることになったということ、そして東京を出る時間が遅くなったので、予定よりも遅い電車で着くが、駅まで出迎えに行ってくれないかとのことである。
手塚先生は言うまでもなく大家でVIPである。出迎えて間違いなくホテルまで案内するのも僕の仕事であり、それはいいのだが、何を慌てているのかと思えばおかしなことを言う。
「BBさん。手塚はめったに一人で動きません。。。というより動けませんから。くれぐれも宜しくお願いしますね。」
などと言う。・・・・・動けない?
(中略)
「BBさん、ちょっといいですか?」
「はい?何でしょうか」
「僕はね、今日始めて時刻表というやつを見たんですけどね、」
「え?」
「この、教えて欲しいんですけどね。このたくさん並んでいる数字は何ですかね?・・・これって・・やっぱり電車の時間ですか?」
(後略)