和月伸宏『武装錬金 ピリオド』

はてなダイアリー
いつも非常に愉しみに読んでいるはてなダイアリーが、武装錬金の最終回について感想を書いている。
結局、仕事が忙しくて「和月伸宏論」の三回目をまだ書けていないのだけれども、このサイトでも和月伸宏庵野秀明の比較論と時代的気分について書いており面白い。
キーワードとして書かれている「日常の豊かさ」というのが注目だ。
私が書いた和月伸宏論とそれに絡む話は以下の通り。

[読書][アニメ][文系文化]和月伸宏論(前篇):90年代キーワード「不殺」と「新世紀エヴァンゲリオン」「るろうに剣心」の符合 - さて次の企画は
[読書][アニメ][文系文化]和月伸宏論(前篇):90年代キーワード「不殺」と「新世紀エヴァンゲリオン」「るろうに剣心」の符合 - さて次の企画は
「不良」や「プロ市民」にならずに生き抜いていく「平凡なボク」 - さて次の企画は

新世紀エヴァンゲリオンに始まった「状況」が、ある種変化してきていることは、すでにいくつもの兆候にも見られており、それは下記サイトにも書かれている。
Yahoo!¥¸¥ª¥·¥Æ¥£¡¼¥º
とりわけ興味を引かれたのは、昨年後半のドラマ「野ブタ。をプロデュース」であり、それを時代背景的な分類をした下記の分析である。
Yahoo!¥¸¥ª¥·¥Æ¥£¡¼¥º

第ゼロ段階
ハルマゲドン妄想、世界の終わりがやってくる
「AKIRA(注36)」「ナウシカ(注 37)」「北斗の拳(注38)」
(1)第一段階 
平坦な戦場(終わりなき日常で唯一残る自意識戦争)で僕等が生き延びること
(シビアな世界認識+厭世的な自意識パフォーマンスでウットリ)
リバーズ・エッジ」「完全自殺マニュアル(注39)」
第一段階→第二段階の過渡期
終わりなき日常が煮詰まって世界が終わる(終わらないはずなのに!)=自意識戦争でのハルマゲドン
エヴァンゲリオン
(2)第二段階
終わりなき日常が破綻しないためのガス抜き=安易な非日常への逃避
ポスト・エヴァンゲリオン症候群
セカイ系&シャカイ派の「安全に痛い」物語)
(3)第三段階
実は「終わりなき日常」はあり得ない
(人間は死んでしまうので「終わる」。よって日常はむしろ可能性に溢れている!)
木更津キャッツアイ」「野ブタ。をプロデュース

この「日常の豊かさ」をどの様に捉えていくかという点で、正直、あまりにアマアマなハッピーエンドで鼻にはついたものの、和月伸宏の嗅覚は相変わらず鋭いと思った。
和月伸宏論の第三講も早く書かねば。
【注】
もちろん、「特別なことがなくても日常は豊かだ」「ボクはオンリーワンだ」は、変な理解をすると「努力しなくてもOK、貧しくてもOK」「下流社会へ GO! ALWAYS 三丁目の夕日」がよいわけじゃない。