ゲームシナリオライターの仕事募集2題と作家の越境

正月早々、ちょっと気になったのが、ゲームシナリオライター&小説家として知られる涼元悠一氏と元長柾木氏の自サイトでの仕事募集だ。
涼元悠一氏関連
http://suzumoto.jp/index.htm#d060108
http://d.hatena.ne.jp/Su-37/20060102#1136164862
元長柾木氏関連
http://motonaga.txt-nifty.com/metatext/2006/01/post_5431.html
涼元氏の方は、コバルトの方の作品は読んでいないものの、1998年に第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞を受賞した『青猫の街』は、当時市場を席巻していた「本格ミステリの要素」と「自分探し的なテーマ」を内包するような面白さに非常に楽しく読ませてもらった記憶がある。
元長氏の方は、S-Fマガジン等に掲載された短篇や評論を少し読んだ程度であって、ゲームをプレイする時間がないので、ゲームシナリオライティング業界におけるところのポジショニングの軽重がよく分からない。
同人誌NaturalColorMajestic-12によると、To Heart高橋龍也氏、AIRの麻枝准氏と並ぶ人なのだそうだ。
その二人が新年早々に自サイトにおいて、「仕事募集」を掲げると言うことは、美少女ゲーム業界が縮小しているってことなのだろうか? セカイ系ブームやメタフィクションの隆盛、あるいは美少女ゲーム業界から小説家に至るというルートにそろそろ一段落が付いたってことなのだろうか?
良い機会でもあるので、元長柾木の「飛鳥井全死は間違えない」を読んでみようかと思って書店に買いに行った。


上記とは似つつもまた多少趣きがことなるのだけれども、某SF関連の新人賞で受賞した若手SF作家の方にSFアニメのシナリオライティングの仕事が来たそうだ。担当の編集長の人が非常に喜んでいたのが印象に残った。
こうした業種を越えた越境仕事というのが、これから増えてくるのかどうかは分からない.
ただアニメ仕事や漫画原作仕事を多数抱えている倉田英之氏・あかほりさとる氏などが、順調なところを見ると、こうした仕事の幅を持っていくことは、業界において生き残っていく必要な技能の一つとして要求されているのかもしれないなと新年早々ながら思った。
いや、もっとも俺みたいなオタク第二世代は、第一世代ほど教養がないので、会社の経理的な数字が読めた上で、複数の業種をこなせなければ生き残ってこられなかったのだけれども、それが作家・小説家ベースにまで及ぶのはなかなか大変だなとは思う。

飛鳥井全死は間違えない

飛鳥井全死は間違えない