DEATH NOTE試論のメモ:デスノートに見られる二つの継承の形

いや、書かなきゃいけない原稿が山のようにあるので、これから更新頻度が異様に落ちるんだけど、ちょっとメモ書き。
次世代の少年モノのストーリー展開の解題 - さて次の企画は
昨日書いた次世代のD.T.ストーリー論をデスノートに当てはめると、ライト側とL側において「継承」という形が対照的に描かれているのが面白い。

◆ライト側
「継承」するモノはデスノート
ライトは自身を《1代の神》と自認する。*1
その継承と伝達は常に欺瞞と嘘にまみれている。
デスノートを受け渡しする《親》と《子》には、コミュニケーションが存在しないため、それを構築するためだけでも、莫大なエネルギーが必要とされる。
ライトと父親、ライトと弥海砂、etc.
◆L側
「継承」するモノはLという称号。
Lは自身を《継承される正義の味方》と自認する。*2
Lは死ぬ前から「継承」ということに重きを置き、"L"を継ぐ者として養子を育てる。
方法に「白黒」の違いはあるが、メロ・ニアは互いにLを継ぐために競争する。
「継承」が正しくなされなくとも、Lは養子たちに信頼を置き、またメロ・ニアも《親》であるLに絶対の信頼を置いている。《親》《子》にはコミュニケーションが存在する。

*1:だからライトはどんなにメリットがあっても、自身の寿命を短くする「死神の目」の契約を行わない

*2:そのためLは寿命を縮めるような「死をかけた冒険的なアプローチ」を取ることも躊躇しない