「道士郎でござる」はスゴイ

なんかスゴイ領域に入ってきた。要注目。分かる人には分かるけど、本当にリアリティを持って少年漫画で、好きな女の子を守るためにやくざと対立するというのを描くとは思わなかった。
西森博之は、変化球だけれども「少年」を描こうとしているチャレンジ精神が満ちあふれている。これは信じられないほど困難なことにチャレンジしてるってことだ!
最近のサンデーはどうしたんだろう?
もちろん、描くまでもないけれど、「道士郎でござる」の実質的な主人公は、道士郎に仕えられている殿こと、健助だ。

「主人公は女の子よりも弱い」
「主人公は何度となく敗北している」
「けれども読者に飽きさせることなく、継続して読ませるストーリーの耐久度を保持」

上述のようなのって、明らかに漫画業界の勝利者である集英社のジャンプセオリーから逸脱している。あのジャンプセオリーこそ、ライトノベルとかにも導入され少年モノの普遍的な法則としてここ20年間機能してきたのに、サンデーの最近のヒット漫画は、このルールに果敢に挑戦している。
で、部分的ではあるけれども「金色のガッシュ」とかが、認められつつあるのがスゴイ。
特に「道士郎でござる」と「結界師」とかから目が離せない。
西森博之は、前々から独特のスタンスで「90年代以降の男らしさとは何か? 男子の生きるロールモデルは何か」を描いていたわけだが、こと本作にいたってそれを完成させつつあるのかも知れない。
文科系男子の、本田透とは違った形での護身完成か?(笑)つーか、護身してないのか?

道士郎でござる 5 (少年サンデーコミックス)

道士郎でござる 5 (少年サンデーコミックス)