吉田戦車の新芸風 シネマ・エッセイ「戦車映画」が最終回

スペリオールの吉田戦車のシネマ・エッセイ「戦車映画」が今号で最終回。最終回のお題は「仮面ライダー響鬼 響鬼と7人の戦鬼」。
基本的にいつも飛ばしているエッセイだが、今回は最終回だからかいつもにない芸風。
なんかTVシリーズ前半のプロデューサー交代前の響鬼は「生きてきた人生で最高の特撮TVシリーズ」と大絶賛。その分、いつも面白かった自分語りがちょっと少ない。そして映画版の響鬼には「幼稚園向けにだからしょうがない」と言いつつも、「僕の脳内『昔の響鬼』とは違う!」とややキレた愚痴を吐露している。
SPINET-INSIDE SPIRITS
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まぁ、こんな感じだからなぁ……。最後に皮肉な調子で締めくくるのは、吉田戦車の今までにない新しい芸風か。いつもは直接不満を描くし。
大人げない吉田戦車っつーのは、自虐マンガでよく描くし見るのだけれども、基本的にエンターテインメントの最後の枠組みを死守していた。ところが、今回はそーゆーエンターテインメント的なメタ視点をなおざりにして、感情のままにキレて皮肉を文章で叩きつけているところが、新鮮みに溢れる。
「大人になるって難しいなぁ」と感慨を深くした。