理系少年の憧れ 大注目の藤井美菜 (後篇)

というわけで、後篇です。何故、身の回りの……あぁ、この人は理系だなぁorわりとハードSFファンだなぁという……人から藤井美菜の話が出ているのかをちょっと分析してみる。
ではまず簡単に藤井美菜のプロフィールを書いてみよう。

藤井美菜(ふじい・みな)
生年月日:1988年7月15日生。17歳(高校2年生)
出身地:新潟出身(米国カリフォルニア州生まれ)
経歴:10才の頃から主として舞台演劇で活躍。
血液型:A型
サイズ:T165 B79 W61 H87
特技:ビアノ・スキー・水泳・一輪車
好きな作家北村薫
好きな食べ物:辛子めんたいこ
マイブーム:「うなずきんちゃん」 話しかけるとうなずいたり首を横にふったりしてくれる人形。「テストうまくいく?」と聞いたら首を横にふられてショックだった。

舞台
1998年 『スクルージ ―クリスマスキャロル―』(子役出演)演出:栗田芳宏
1999年 『シャンポーの森で眠る』 演出:チューダ・デイビス
2000年 『小公女セーラ*1 戸中井三太演出
2001年 『ファデット』演出:栗田芳宏
2002年 『半神』演出:山崎清介
※02年の『半神』は萩尾望都原作の同名作品(脚本は野田秀樹)。シャムの双生児の知恵遅れの妹役を演じる。
CM
2005年 インテル「サボテン篇」
Page Not Found
2005年 富士ゼロックスのWebCM
強固なセキュリティ対策なら 富士ゼロックス「beat」

ネットで検索できる範囲での情報を見てみると、こんな感じ。
新潟っ子だから、スキーが出来るのは普通か。一輪車という趣味はいったい何なのだろうか? 好きな作家に北村薫をあげるのは趣味が良いなぁ。血液型は几帳面と言われるA型。テストの成績を気にしているのは分かるが、バンダイの「うなずきん」に聞くのはどうだろう(笑)

【重要な追記】
マイブームに関連して(笑)と書いていたら「うなずきん」=「ロボット」に対して感情をもって話せる女の子なのだから理系少年が好きになって当然だ!という抗議の声が続々と……。あ〜しまった、それは抜けていた、気が付かなかったぁ。なるほど藤井美菜はロボットと感情を持って話が出来る女の子なのか。最近だと交響詩篇エウレカセブンエウレカかなぁ。あ〜しかし、どう見てもニルヴァーシュと話をしているエウレカより、うなずきんと話をしている藤井美菜の方が可愛いし。なるほど、これはスゴイツボなのかもしれない。

あと8月6日MBSの「ちちんぷいぷい」に出演したときの話として下記のような話題が出ている。
ページが見つかりませんでした | Rec.Software.log | Page 110
IDOL-watcher: 藤井美菜さん「ぷいぷい」登場!!
CMにおいてインテル富士ゼロックスというハイテク関連のCM――しかも両者共に一般ユーザーが直接購入するような商品ではなく、CPUのイメージCMや中小企業向けネットサービスなどを担当――しているのが面白い。
その理由は何となく分かる。「知性的な感じ」「女性性の薄さ」「寂しげな感じ」という、ちょっと理系技術者受けするような雰囲気が藤井美菜には漂っているから、CM制作者としていじりたくなるのは、こういった製品になるだろうなぁという気がするからだ。
よーするに藤井美菜はもーれつに理系少年受けする雰囲気をもっているのだ。
藤井美菜を最初に見たときのイメージって、それを小説のキャラクターに例えるなら誰が近いだろう云々と考えていて、個人的に思いついたのは野尻抱介著:「太陽の簒奪者」の女性主人公、白石亜紀ってこんな感じかなぁ?と思った*2
じゃあ、理系少年受けする雰囲気ってどんなモノかというと、

◆理系少年受けするアイドルの要素

  1. 知性的な雰囲気、頭の良さそうな雰囲気を漂わせていること
  2. 理解不能領域である女性性は薄く漂う感じであって、前面に出ていないこと
  3. ナチュラル・アーティフィシャルを問わず、クリアな清潔感があること
  4. グラマラスというよりも、線が細く背が高い体型をしていること
  5. 理解しやすい範囲での、寂しさや喪失感が漂っていること
  6. 相手の内面を察し、重視してくれるような視線を持っていること
  7. 状況によっては共闘してくれる様な芯の強さを感じさせること

こんなところだろうか。プロフィール写真を見るよりも、富士ゼロックスのWebCMの方がより女子アナっぽい感じになっている。ちょっと3番・4番がメカニカルなCMに合いそうな部分が強調されすぎている感じがあって、それだとわりと普通っぽいので、あまりこちらの方向には進まない方が良いんじゃないかなぁとは思う。
ちょっと上記の条件をもう少し理解しやすくするために、テレビ版「六番目の小夜子」の栗山千明鈴木杏と比べてみよう。
栗山千明は子役時代から可愛かったけれど、昔から「エロっぽさ」「聖女っぽさ」が過多で、理系少年の手に負えない領域=理解不可知領域が大きくなりすぎちゃう気がする……。あれだとやっぱり「敵役」の方に傾いちゃうのは仕方ないかなと。
要素を列記したけれども、1〜5番に共通するのは、「理系少年的なエキセントリックな知によって割り切れる謎や、補填可能なトラブルを抱えてそうな雰囲気」ってところだろうか。
鈴木杏とかも理解しやすいんだけど、彼女は子供っぽさ・単純さに近い部分がある。それは言い換えるなら「元気」であるわけだが、この「元気」が過大だと少し中心からズレていくような気がする。……いやジュヴナイルには「元気な少女」というのも必要で、それに鈴木杏はばっちり合っていた。ただどうしても、少年少女期は「元気」と「知性」はトレードオフの関係になりやすい。
その意味でドラマ版「六番目の小夜子」は、キャラクター的に「元気」「エロっぽさ」「聖女っぽさ」はそろっていたんだけど、「知性的」な要素がわりと少なくなっちゃったかなという気はする。小説版だと東大(だったけ?)に受かったことになって、ある種の連結が図られているけど。
6番目は、わりと文系少年にも……というかオクテ少年のほぼ全般に共通するポイント。これはよーするに「外面的な魅力や能力じゃくて、まだ表出していないボクの深い内面を察してくれる女の子」という意味。基本的に中高生時代に女の子以外の趣味に走ってしまうと、ある時期に女の子に対してどうやって自分の魅力をアピールするかということを考え過ぎちゃって分からなくなる場合がある。
そーゆー時に「こちらからアプローチしなくても、ボクの深い内面を分かってくれる美少女願望」「内面を重視してボクを好きになってくれる女子希求願望」というのが伏流となってしまうわけだ。ちなみにこのタイプのヒロインは少年から大人受けするSFストーリーには絶対欠かすことの出来ない重要な存在だという説をオイラは唱えている。
例を挙げるのであればSWのレイア姫や、ガンダムのララァ・スンフォウ・ムラサメ銀河英雄伝説でのフレデリカ・グリーンヒルなんかがこのカテゴライズに入る。最近では個人的に大絶賛している桜坂洋の「スラムオンライン」の眼鏡ヒロインもまさにこのタイプ。ニュータイプや強化人間のヒロイン……特にΖガンダム以降の強化人間タイプのヒロイン(勿論、それは秋山瑞人のイリヤにも繋がるのだけれども)は、その意味で便利な設定だなぁと最近になって思うようになった。
藤井美菜はこうした条件をかなりの部分満たしているので、だからこそ、やたらとハイテク企業のCMに起用されたり、かつての理系少年が騒いでいるんだろうなぁという気がする。
では最後に番組インタビューで藤井美菜の答えで締めてみよう。

Q 「インテル」CMのように「聞き間違い」ではじまる恋はどうですか?
A きっかけがつかめず発展しない恋も多いと思うので、「聞き間違い」で始まる恋も素敵なことだと思います。

本当に眉村卓のジュヴナイルSFを彷彿とさせるよ、電話の混線が異世界に繋がったとかそーゆーSFが山のようにあった頃の。
やっぱり藤井美菜はSF理系少年の「ど真ん中のタイプ」の女優だと思う。

*1:小公子という記述もある

*2:多分、野尻抱介さんは全然違うというだろうけど