史上最強のオタク・グラビアアイドル、黒田美礼をキミは知っているか 後編

なんかこういうアイドル記事ばっかりを書いていると、アイドルマニアなんじゃないかと誤解されるが、そんなことはない。これでも一生懸命調べているのだ。まぁ普通にグラビアは見ていただけ。
だいたい90年代半ばには、大抵、好きなグラビアアイドルの一人や二人いないと何かを疑われてもしょーが無かったのである。まぁオタクvsサブカル本にちなんで、当時のサブカル業界人が好きだった巨乳アイドルを派閥別に書いてみよう

◆サブカル業界巨乳アイドル派閥(ソースはまだ検証中)
故・中島らも 山田まりや派
在阪TVで、山田まりやが一緒ならと言うことで、タイまで象に乗りに行った。ところがそのタイで足に変な菌が入って腫れて困ったとのこと。
みうらじゅん 黒田美礼
テレビで「現在、グラビアアイドルファンの巨乳派は青木裕子派と黒田美礼派に大きく分けられます。ちなみに私は黒田美礼派です」と発言。
伊集院光  雛形あきこ
あれだけOh!デカナイトであれだけいじっていればなぁ。巨乳タレント(自身含む)、乳製品を弄りまくりだった。「もし優香と乙葉に同時に告白されたらどうする?」という厨房設問など色々と造詣深い。

やはりみうらじゅんの趣味の良さが光るな。たしかに山田まりやはなんとなくリリパットアーミーっぽいしな(←テキトー)。伊集院光に関しては、まず自身が巨乳アイドルだし、ラジオで共演した雛形に対抗心から転じた愛情を感じても不思議ではないかもしれない(笑)。
さて、本題に戻る。
グラビアアイドル史を振り返りながら、黒田美礼について書こうと思っていたら、昨日はその前段階の雛形あきこで疲れ果ててしまった。というわけで、今回は最初から黒田美礼について書こうと思う。
まずはパーソナルデータから

名前黒田美礼(くろだ・みれい)
デビュー:元々は水着モデルで、弱小出版社の水着モデルがデビュー。
生年月日:1978年4月20日
出身地:埼玉県
サイズ:157−95−58−81
趣味:ゲーム・プラモデル(特に田宮の戦車、戦闘機等)パソコン・イラスト・カメラ
CM:コカコーラなどに出演

黒田美礼は、ぱっと見た感じ「地黒」だ。「女豹」「黒豹」というキャッチフレーズで売っており、実際、四つんばいスタイルがすごく映えるグラビアアイドルだった。ハスっぱな感じから無邪気な感じまで、およそ色々な写真が撮られていてような思い出がある。
これは黒田美礼を含む、雛形あきこ青木裕子、そして雛形あきこの妹分として出てきた山田まりやなど、90年代半ばを牽引してきたグラビアアイドルに共通して言えるのが、
水着アイドルだが清潔感に溢れていた
という点である。まぁ、これには色々な理由がある。80年代の芸能風俗業界を振り返ってみるに、大きな転回点が二つあった。

  1. おニャン子クラブでアイドル裏事情が見え、Girl next doorへの憧れの消失(内輪化)。
  2. 80年代の風俗多様化と90年代初頭のヘアヌード解禁での大衆風俗の閉塞感。

ようするに女性アイドルやその周辺領域として存在する大衆風俗が行き着くところまで行ってしまったのが80年代だった。大体、どの雑誌にもそこそこ可愛い女の子や、宮沢りえまでがヘアヌード写真集を刊行するのに、なんでいまさら水着モデル?というのが、世の風潮だったわけだ。
どの週刊誌を見ても、すでにヘアヌードが解禁された以上、「エロスとエロは死んだ」という論調が一世を風靡していた(ま、そんなことはなかったわけだが)
それを一気に引き戻して、サンデーを愛読する中学生が見ても背徳感にとらわれない健康的なお色気でグラビアアイドルの地位を確立したのが、雛形あきこだったわけだ。絶対脱がせないという野田義治のポリシーは、後代はともかく、当初は90年代初頭のグラビアアイドルに清潔感と健康的な明るさを持ち込んだ。それは崩壊したバブルの反動と巨乳に癒しを求める男の心情が云々……という分析はさておき、「清潔感ある水着グラビア」というのが、新風を吹き込んだのが90年代初頭から半ばの状況だったのだ。
雛形あきこが登場した後、主なグラビアアイドルは下記のようにファン層を分けあっていたと思う。

  1. 青木裕子  年上好きのお姉さん系。
  2. 山田まりや 雛形あきこの妹分。元気印。
  3. 黒田美礼  セクシーアイドル路線なんだけど……

確かに、この三人を比べると黒田美礼が、セックスアピールが強い感じがする。芸名もどこかハスっぱな感じだ。ところがねぇー、黒田美礼は何故かそうした外面を裏切るような垢抜けないけど純粋な部分を持っていたようだ。
それは黒田美礼の趣味を見てもらえれば分かる。

趣味:ゲーム・パソコン・イラスト・プラモデル(戦車、戦闘機等)・カメラ

……おかしい。05年の現在のように究極までグラビアアイドルの細分化が進み、伊達眼鏡をかけた時東あみやら、ギャンとか樽ドルの異名を持つ類家明日香、そしてあまりにオタク趣味が高じすぎているしょこたんこと中川翔子やらがいる昨今の話じゃない。
ましてや、本当に青木裕子と人気を二分していたトップグラビアアイドルな訳だから、当時から不思議な子だなぁ〜と思っていた。ゲーム・パソコン・イラスト・プラモデルというのは、当時グラビアアイドルが公言する趣味……変なキャラ付けする必要もないんだから……としてはとにかく普通じゃない。
そう言う視点で見てみると、黒田美礼は確かに顔の造形としては杉本彩タイプなのだけれども、その顔にはほくろがあって、出身県が埼玉と言われるとたしかに頷けるような、微妙なイモくささと愛嬌があった。*1
そういう微妙な田舎出しの雰囲気――それは今のアイドルに例えるなら、これまた結婚してしまったけど、乙葉に非常に近いかもしれない。乙葉も田舎出しのグラビアアイドルで、なんとなく育ちの良さそうなのんびりした雰囲気が漂っているけれども、黒田美礼もそういった雰囲気があった。そう考えてみると、オイラの「田舎出の娘さん」好きとゆー嗜好にぴったりだったのかもしれない。
……ちなみに先頃離婚した奥菜恵はやはり血の宿縁か、フォースが暗黒面に染まって光っているのが感じられるので、個人的に非常に苦手です(笑)。
閑話休題。さて、色んなインタビューにおいて趣味はゲームとパソコンだと黒田美礼は答えているのだけれども、インタビュアーの方がそれ以上突っ込まないので、果たしてどんなゲームが好きだったのかという情報はほとんど残っていない。格闘ゲーム全盛期&ファイナルファンタジー全盛期だったしなあ。
けれどもグラビアアイドルとしての売り出しが「女豹」とか「黒豹」とかだから、インタビュアーもあんまりそっち方面には突っ込まなかった。これも時代だろう。オタク趣味を持っているということと、グラビアアイドルというカテゴライズが結びつかなかったからというのが正しいのかもしれない。
かろうじてネットを検索して入手することの出来たインタビューを再構築してみよう

(前略)
―― 趣味は何でしょ?
黒田 プラモ作りゲームです。
―― へー、プラモ作り、女の子にしては珍しい趣味ですねぇ。どんなの作っているの? やっぱりガンプラとか?
黒田 いや、ロボットとかは作らないですね。戦車とか戦闘機とかの軍事モノかな
―― ほほお、出来上がったら部屋に飾ってるの?
黒田 それが作るまでは楽しいんですけど、作っちゃたら興味がなくなっちゃって押入れ行きなんですよ(笑) だから部屋に飾ったりしないですね。
―― あ、そお、好きなプラモメーカーってある?
黒田 タミヤですね。説明書がしっかりしてていいですね。
―― さすが軍事モノすきだけあるなぁ
(後略 UREKKOのインタビューから)

濃い会話だ。ここで好きなゲームとか、具体的に作っている田宮のミリタリーモデルが何なのかが残っていないのが残念。この後、話題は最近凝っている一眼レフのカメラの話へと移っていく。
なんというか……オタク気質だ。しかしながら、これ以上突っ込んだ情報というのは当時はほとんど出てこなかった。ある意味でグラビアアイドルには、それ以上の属性が必要なかった時代だから、個人的な趣味……しかもオタク的な趣味に関しては語れることがないままに終わってしまう。
今は無くなってしまったが、公式サイトはアスキーのサイト上にあったりして、微妙なコンピュータ繋がりはあったようだ。
旧公式サイト http://wam.ascii.co.jp/regular/mirei/
また2CH情報であるため、確かなことは分からないが、

私は1997年からネット始めたんだけど、当時黒田美礼さんはmk.mirei.comのドメイン持ってて自作のサイト作ってた。メール出したら短い文章だけど必ず返信くれるので律儀だなぁと感心した。

その後、次々と出てくるイエローキャブ陣営のグラビアアイドルに押される形で、数年前に充電宣言をして活動を休止。オイラは未見だけれども、昨年のFLASHに掲載された情報として、すでに結婚して子供も生まれ、現在はパソコンのインストラクターをしているとのこと。
なんかそう言う話を聞くにつけ、当時もしContinueがあったら、絶対に表紙を飾っていたよなぁという感慨をぬぐいきることが出来ない(笑)。もうちょっと――あと5年――登場が遅くてグラビアアイドルが個性を持って自分を出せる時代にさしかかっていたのであれば、オタクアイドルとして成立した可能性もあるかなという仮定を考えると、ちょっと残念。
もっとも黒田美礼は、その絶頂期には、雛形あきこが開拓したグラビアアイドルの人気を、青木裕子と二分していたのだから、現在のように細分化したキャラ付けをする必要もなかったわけだが。
実体としてはかなり謎に包まれている部分も多いのだけれども、その活躍の場の広さなどを考えると、「史上最強のオタク・グラビアアイドル」は黒田美礼だったんじゃないかとオイラは思うのである。
【追記】
指摘があったのでリンクを作っておく。
http://web.archive.org/web/19980710211153/http://wam.ascii.co.jp/regular/mirei/episode/p-model.html

*1:例えば現在だと小倉優子のように顔のほくろなんかは、レーザーで焼いて消してしまうアイドルが多い。その意味では90年代半ばはまだのんびりしていたと言えるだろう。