機動戦士Zガンダム回想録の感想

http://zgundam2nd.exblog.jp/243537/

「ゼータガンダム」は「自意識過剰の90年代」を予見した作品である。事実、90年代に世界は「ゼータガンダム」そっくりになった。しかし逆にこの90年代には、その時代を映し取る鏡としての物語からどんどんこの「きしみ」が排除されていったことに注目したい。と、いうよりもこの「ゼータガンダム」のようにリアルに、それも徹底してこの「きしみ」を描いた作品が90年代にあっただろうか。
(中略)
絶望から出発しよう」という気分は根強い人気があるが、だったらまず徹底して絶望しなきゃいけない。まあ、本当に「絶望から出発」する必要があるかどうか、という問題が実は一番大きいのだが。

サラ・ザビアロフ(に池脇千鶴を絡めての)=サークルクラッシャー話で、ちょっとうまくリターン返したつもりだったんだけど、前回の20・21話解説あたりで、またやられたなぁという感じ。
セカイ系「キミとボク系ミステリ」、あと著者を含む「登場キャラクターの安易なトラウマ話」。そして必然的に底から派生するアイデンティティ獲得の一形態としての純愛ブームが、いかに取りこぼしが多いかと言うことをZガンダムを使って論考するという手法がとても秀逸。
スゴイ。