丸井は脱オタブランドなのだろうか?

真夜中の転校生からのTBが異様に面白かったので紹介。

ナニコレ!なにこのイケイケっぷりは!かつての「オタドル加藤夏希は一体どこへ行ってしまわれたのか!
いや、確かにさ。「不思議系オタドル中川翔子や、「S系・耽美系オタドル栗山千明らの台頭によって、加藤夏希の影が薄くなってるなー、っていう感触はあった。(特に後者はキャラ的に被っててマズかった)
だからって!ここまではっちゃけなくてもいいじゃないですか!オタク男子の夢を壊さなくてもいいじゃないですか!
(中略)
しかも「丸井」って!「脱ヲタ」を象徴するかのようだ!(「丸井系ブランド」は「脱ヲタ」「大学デビュー」に最適な、無難なチョイス、として有名)
(強調引用者)

丸井って、脱オタ専用ブランドだったのか……。80年代後半に高校生活を過ごした者からすると、PARCOとかの方がお洒落イメージが強い気がするけれど。これは在住している地域差によって違うのかもしれないな。
昔のCMでは必ず最後に企業アイデンティティのように「ヤングの丸井」「ファッションの丸井」「駅のそばの丸井」と言った感じか。積極的なCM・イメージ戦略を70年代から進めていた観があった。それがid:inunさんからすると、脱オタのシンボルと見えたのだろう。
PARCOだと、サブカルのシンボルに見えるのかなぁ?
あと丸井の経営戦略の決定的な部分と言えば、やはり80年代にセゾンと歩調を合わせて積極的なクレジットカード戦略を推し進めていったところだろう。これによって大学生・新社会人に将来を担保として消費財を交わせていたイメージが多かった。
多分、クレジットカードの普及枚数と80年代文化の進捗などを調べると強い正の相関関係があると思う。この辺りの資料、宮台さんあたりがつくっているんじゃないかな。宮部みゆきの「火車」の世界だなぁ……。
今はイケイケの西原理恵子がどこかのエッセイマンガで

西原「アタシは犬でも出来る丸井のカードが作れなかったのよ! 漫画家はそれぐらい信用がないんだよ!」

とか書いてあったのを見ると、その戦略の一端がかいま見られる。当時のカード乱発戦略は凄かったし斬新だったんだろう。まぁ最近はローソンでもツタヤでもクレジットカードを作れるくらいで時代も違う。
地方におけるジャスコ文化(ファスト風土ですね)とかとも比較をすると面白いかもしれない。ジャスコとなると下妻物語(笑)
文化発信ポイントとしての店舗としてのPARCOとか、LIBRO、アクロスはまぁ今更押さえる必要はないんだけれど(現在の渋谷PARCOの惨状を見ると)、今の辻井喬(=堤清二)の「僕を捜して」といった内省的エッセイを読むと考えさせられることが多い。
自覚的に80年代を考えるようになったのは、仕事相手が40代〜50代辺りが多くなってきたここ数ヶ月で、数年前からの80年代ブームとは無関係なのだけれども、ロストディケイドとなってしまった90年代にやり残したことがなんだったのかを検証する意味で、ちょっと興味を持っているところ。後は女の子文化の方を見れば、一通り流し終わる。
うわ、ずいぶん話が横にずれた……。
映画の電車男では、最後に再び「百式」のTシャツを着てきて、結果的には「Someday your prince charming will come」ならぬ、「Someday your princess  charming will come」となって、「あるがままの自分を愛して」という割と古いパターンに落とし込まれるので、どうかとも思うんだけど。
旧来であれば、脱オタツールとして機能していた「丸井」「PARCO」「ファッション誌」がかならずしも機能しなくなってきたのに対して、「ネット」が「善意の隣人」(学内サークルが機能していた頃の善意の先輩が代替存在)として加わった点が、文脈としてとらえやすかったのかもしれない。確かにいきなりストリート雑誌では無理だろうし。
そういった配役人選なども含めて「脱オタCM」として読み解いた場合、画像的なチカラも含めて丸井のCMは面白いよと書いておく。