木村カエラへのオタク人気は「ぬいぐるみと話す女子」だから

アクセス解析の分析をすると、無視できないほど木村カエラの画像」で検索・飛んでくるアクセスがある。木村カエラにオタク要素は少ないし、なぜこんな数が来るのか疑問だった……。
が、2005-04-13 - Heart Catch Radio CON$ MINI!さんからのリンクを見て理解できた。


「ぬいぐるみと話す女子」を好きになるという、オタクのツボが存在する。今年『ぬいぐるみと話す女子萌えブーム』が来ると予想してみる

感覚的だが、闘病患者は特撮オタク・NHK教育や幼児番組好きの男子が多い気がする。
同じような共通点のある女子を4人上げてみる。

ぬいぐるみと話す女子リスト

  1. 木村カエラTVKsakusakuにて増田ジゴロウが相方
  2. 菊地美香:元デカピンク。モコナの声優。NHKニャンちゅうワールド放送局で、ニャンちゅうが相方。
  3. 蘭道りの田村ゆかり):アニメだが、プッチャンが相方。TV東京「極上生徒会

古い例(CG系ですな)

  1. 進藤晶子:相方はCGの恐竜ラルフ。TBS「ランク王国
  2. ウゴウゴ・ルーガ

現役のこの3人の動きを見ていると、2ch特撮板、アニメ板、声優板で確実に一定数以上のファン層を獲得して盛り上がっている雰囲気を感じられる。
そして面白いことに相方のぬいぐるみにも共通の特徴がある。

増田ジゴロウニャンちゅうプッチャン、ラルフの共通点

  • 基本的に突っ込み役。舌鋒が鋭い皮肉屋・毒舌家
  • でも知識的に抜けていて馬鹿なところも多々ある。
  • オタク話が大好きで頑固
  • 女子のトラウマの象徴
    • 本人が操作するぬいぐるみ=二重人格

本来的には木村カエラは「SEVENTEEN」の専属モデルで、言うなればギャル・Teen文化の一つのトップ。その位置づけを見るならば、本来的にはオタクから嫌われるポジションであるはずだ。
髪にメッシュが入ってるし(笑)【オタクは茶髪が嫌い】
にも関わらず木村カエラが、これほどまでにオタク受けが良いかというと、それはsakusakuジゴロウとオタク話をしているからだ。

じゃあ、なぜオタク男子はこうした「ぬいぐるみと話す女子」に惹かれるのかを分析すると、

オタクの「ぬいぐるみと話す女子」への勘違い

  • ぬいぐるみと話をする女子は「相手の容姿にこだわらない」という誤解
  • 精神的な子供【馬鹿・皮肉屋】も好いてくれるお姉さんとの誤解(NHK教育が助長)
  • ぬいぐるみと話が出来るというのは純粋さ優しさを象徴しているという誤解
  • オタク話なら自分にも出来るから話が合うにちがいないという誤解
  • ぬいぐるみと話をする女子は「友達が少ない」から自分が友達になれるという誤解
  • ぬいぐるみよりは、「ボクの方がもっとよい話し相手になれる」という誤解

という六大勘違いがあるから。
微妙にノックスの十戒の9番目「(9)ワトスン役は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。又、ワトスン役は一般読者よりごく僅か智力のにぶい人物がよろしい」の補則としての役割を果たしているのもとかぶるあたりもあって悩ましい。

ぬいぐるみ(人形)とは、不完全な人間の象徴だから。

女性経験値が上がってくると、「ぬいぐるみと話をする女子」の性質的な割合は

  • 才気走っている天才 2%
  • 成長出来てない子供 18%
  • 非常に計算高い演出 30%【相方が動物の場合が多い】
  • 本当にマズイ電波系 50%

ということが分かり、むしろ付き合う女子として「ぬいぐるみと話す女子」を選択するのは、確率としてはヤバイことが分かる。成長できていない子供ならまだしも、電波系50%というのは、オタクが手を出すにはかなり分の悪い比率。
これだったらまだ「負け犬」に手を出した方が、危なくないとは思う。「転生記憶を持っている女子」ほどは危険ではないと思うが……。

つきあい始めたら、
ぬいぐるみに「彼氏(自分のことね)の愚痴」を言っている深夜2時
の彼女を想像するとちょっと怖いでしょ。

ちなみに「ぬいぐるみと話す女子萌え」の元祖は新井素子
オタク男性の萌えの源流などを探っていくと、大抵の場合、新井素子谷山浩子にいきつくというのが非常に面白い。コンセプトは手塚治虫案出の場合も多いが。
新井素子は約400匹を越えるぬいぐるみと共に生活しているというのが、オタク男性の心を刺激するのだ。

新井素子とぬいぐるみ
新井素子は「ぬいぐるみは呼吸も新陳代謝もしないが、未知のぬいぐるみパワーとでも呼ぶべきものによって生きており、一種の精神生命体である」と常々主張している。
ぬいぐるみ関連の著書として次のようなものがある。

わにわに物語 (講談社文庫)ぬいは今日も元気です―わにわに物語〈2〉 (講談社文庫)
白いワニのぬいぐるみ「わにわに」が語ったエッセイを新井素子が口述筆記したとされるもの
くますけと一緒に (徳間デュアル文庫)
「ぬいぐるみホラー」を目指して書かれたとされる小説。両親を亡くしぬいぐるみと話す少女の、ぬいぐるみ「くますけ」との交流や内面を描く。
ぬいぐるみさんとの暮らし方
ぬいぐるみについて網羅的に述べた本を新井素子が邦訳したもの。
テディベアに会えた日
ぬいぐるみ写真集

女子側への提案としては、いかにもオタクなサークル飲み会では、「ぬいぐるみ話」演出をするにしても「手作りのテディベアに恋の悩みを相談したのよ」ぐらいのとどめておいた方が無難か。それ以上、カーブを攻める演出をすると余計なものがくっついてくるので。
特に文系度の高くて、女子との付き合いの薄い男子が多数居る場合には、そのツボを押しまくって、サークルクラッシャーとしてブンブン唸りを上げて機能してしまうから。
そうしたいのなら止めないが、1年後にサークルが崩壊していると思う。
木村カエラの場合には、天然系の「ぬいぐるみと話す女子」として機能してしまっているためにオタク男子の人気が高くなっているのだと思う。

新井素子の場合は、確率として非常に少ない天才系の例。けれどもSF業界においてそういった神話が存在することが、「女の子にぬいぐるみをプレゼントする」という病が、SF業界の周囲に色々存在する理由としても分析可能か?

加えて言うのであれば、NHKの教育番組でぬいぐるみと話す「お姉さん」もこういった誤解を助長しているが、あれは未熟な人間の象徴という子供番組としての演出なので、それを含みおくことが必要だ。

ちなみに計算高い演出系であった場合は女子もそれを「不思議ちゃん」個性としての売り演出=付き合いたがっている可能性もあるから、GFにするのはヨシという話もある【←この場合は相方は動物が多い】。
……が、ちゃんとつきあい始めたら、本当に動物の面倒をちゃんと見ているか確認すること。母親に散歩させている場合は駄目。あと、話をしている動物が爬虫類の場合は「むしろヤバイ」場合が多いので、一考が必要(亀ならOK?)。

ランク王国」の進藤晶子の様に、本人が気に入っていない演出の場合は、つきあい始めた後は、あまり話題をださないぐらいの気遣いが必要。いきなり、文藝春秋に「私がTBSを辞めたわけ」の暴露話を書くように、演出をマジと取ると逆ギレされる場合もある。

極上生徒会」は、先週の段階で馬鹿にしきっていて、第二回は多忙で視聴することが出来ていないのだが、もし黒田洋介が誰にでも予想がつくような『ぬいぐるみは二重人格=トラウマ』『実は精神寄生体が……*2とかいった安易な展開を越えて昇華・ヒットさせることができたのであれば、
「ぬいぐるみと話す女子萌え」ブーム
を顕在化させたクリエイターとしての勲章を得ることになると思う。
ともあれ、現時点では演出が異常過ぎてなかなかついていけない(笑)
上手くいけば、それこそ「ぬいぐるみと話す女子萌え」を顕在化できるけれど、一歩間違えると
マット・デイモンロビン・ウィリアムズが競演していた
ふたりにクギづけ 特別編 [DVD]
と同じくらい黒歴史になりそうで、大変。

「ぬいぐるみと話す女子萌え」ブームが来る時の勝利条件は下記の通り。

【ぬいぐるみと話す女子萌えブーム確立の勝利条件】

逆に敗北条件は下記の通り

【ぬいぐるみと話す女子萌えブーム確立の敗北条件】

*1:sakusaku内では、ジゴロウが口から怪光線を発する技となっています。あいさつとして用いる際には、サクサカーらしき人物(例.携帯にジゴロウストラップをつけてるひと)を見つけたら、「巨神兵が?」と声をかけます。「ドーン」と返してきたら、めでたしめでたしです。「結構なお手前で」と礼をしてもいいですし、「乙事主が?」と畳みかけても構いません【sakusaku大事典より】

*2:こういうネタなら「新井素子からネタをとるな」とSFファンの古株は怒るべき