経済/サブカルチャーとライトノベル【その1】

タイトル変更。1月8日はS-Fマガジンの座談会に参加。日本オタク大賞、倫理研の情報が入ってきて、まとまりが見えてきた。
うわ、ほとんど全部書き換えだな。悔しいから小池栄子のスパプーのCM画像を貼ってやろう。
昨日、S-Fマガジンの座談会に参加してSFとライトノベル関連の話をした。徹夜明けで出だしのまとめを考えていけず、悪いことをしたなぁと思っているのだが、その後寝て考えているウチに二つの流れが背後にあったのだなというのが分かってきた。それを2回ぐらいに分けてまとめてみる。
最初に結論を書くと、今、ライトノベルは「経済的コンテンツ」と「サブカルチャー」としての位置を同時に確立しなければいけないというちょっと面白い局面にある。だから現在、ライトノベルは注目されているのかも知れない。
まず、経済分野からどう見られているかを今回の【その1】で語ってみる。

1)オタク市場が経済的に注目されてきた

  1. その背後に他コンテンツと同じくらい参入への敷居が低くなった点もある
  2. →ライトオタク層の増加

2)アニメ・コミック・ゲームの地盤沈下ライトノベルが目立ってきた

という背景の下で

3)元コバルト女性作家の文学賞受賞

4)ライトノベル出身の男性作家、特に乙一冲方丁の活躍

がある。「一般文芸に対しても作品の質で負けない云々」とかの枝葉をズバっと落としすぎているが、要約すると経済的側面から見た場合は、以上のように「現在のライトノベル」は見ることが出来る。

これが日本経済新聞日経BP社)、朝日新聞、産経新聞といった主に新聞系(ただし文芸評論ではない)がライトノベルに注目している一要因と言ってもかまわない。
経済的な論点・マーケット的な論点からざざざっとライトノベルを照らすと、以上のように見えるわけだ。
インターネット上のサイト・ブログで経済的な視点を持っているところも、ライトノベルをそうした側面で捉えようとする。ゲーム業界を制作内部と経済的視野から捉えようとしている発熱地帯さんも割とそうした傾向を持っているし、いわゆるオタクからは遠くライトノベルへの言及は少ないが、なんちゃって海外SEOブログ もこうしたポジショニングに位置している。TV業界もそんな感じだろうか(これは師匠のSさん)
私と年齢が近いということもあるだろうが、割とこれらのサイトの背後には「日本市場は細分化されず、統合を維持しておいた方がよいのではないか?」「業界が維持されていくために何らかのビジネス的な立脚点が早急に求められているのではないか?」「今現在、日本が持っているコミック・ゲームというヘゲモニーを海外に移転させないためにはどうしたらよいか」という視点を強く感じる。
切込隊長は会ったこともないしブログと著作とネットでの噂で知るのみだが、2CHへの参加・離脱の経緯などを少し追っていく中での印象で「こういう視点をもっているのだろう」と考えているに過ぎないが……。
そんな中で、「ライトノベルがいかにアニメ・コミックの落ち込み部分を支えるコンテンツになるか?」みたいなとらえ方をする層もいる訳だ。
メタファーを用いるなら、「奥田経団会長・トヨタ社長が吉本興業経団連の椅子を与えるかどうか」みたいな感じか。もっとも個人としてそうした奥田会長みたいな存在がいるわけではもちろんない。

ところが、これとはまったく別の方向「サブカルチャー」から照らすとライトノベルを取り巻く様相がまったく違った形で見え始める。それを先ほどの奥田会長メタファーを使うとこんな感じだ。「子供の読みものとしてしか顧みられなかったライトノベルに、サブカルチャーという円卓の椅子を与えるか否か」という視点だ。

この二つが同時に起こっているがゆえに色んな箇所においてライトノベルが注目をあびつつあるわけだ。第二回では「サブカルチャーとしての椅子を与えられつつあるライトノベル」という観点から見てみよう。