矢野徹、追悼

また一人惜しい人を亡くした。今年はどうなっているのだろうか?
ハインラインの翻訳で非常に思い入れがあった。子供心に「宇宙の戦士」「月は無慈悲な夜の女王」に心熱くしていた思い出とか色々ある。
作家という意味では、SFというより「カムイの剣」が一番好きだった。
そして何と言ってもゲーム分野に置いて大きな足跡を残したのが、コンプティーク連載の「狂乱酒場」とウィザードリィだろう。NIFはそれほど参加していなかったので分からないが、これらが後のゲーム文化に残した足跡は非常に大きいと思う。矢野徹を通して、海外ゲームの面白さ……取り分けWIZについては知ったという人が多いはずだ。これは角川MO文化においても足跡が大きい。
ライトノベル分野に置いては、第一回電撃ゲーム小説大賞において高畑京一郎を、強力にプッシュしたのが審査員の矢野徹であったと聞いている。さもありなん、「クリスクロス」はWIZの申し子なのだから。
その観点で行くと、古川日出男ベニー松山も、そうしたWIZ作家の系譜に位置づけられると思う。その中で矢野徹の存在はおおきかったのではないのだろうか?
ご冥福をお祈りします。