造語・ネーミングセンスについて:補足

相変わらず補足する時間がなくてどうしようもないが、いくつか参照があったようなので貼らせていただく。
http://blog.goo.ne.jp/kusuto2000/e/4162b556ea10d71b38a203e0d2778701
http://stella.cocolog-nifty.com/starchartlog/
といいつつもちょっと補足。
瀬名秀明は、境界ラインでの英語選択センスが抜群に上手い。「パラサイト・イヴ」はネタそのものの核心をつきつつ、まだ「パラサイト」という言葉が一般的ではないときに、あえてパラサイトという言葉を使用(当時なら寄生虫としての使用が多かっただろう)、そしてイメージ的に綺麗なイヴという単語をストーリーと絡めつつ、効果的に使っている。
「BRAIN VALLEY」も同じだ。誰もが「シリコンバレー」を連想するが、それよりちょっとズラして「脳科学」のイメージを上手く伝達している。脳の皺まで伝わってきそうなイメージも上手い。
キングもまた面白い。中学生どころか、小学生も分かるような平易な単語組み合わせでありながら、実際に手にとってあらすじを確認してみないと自分の想像が当たっているかどうか分からないタイトル……それ即ち誰も使ったことのないようなイメージを伝達……にしながら、粗筋を見るとこのタイトルしかあり得ないようなネーミングになっている。
セスナ機で全米各地を転々とする吸血鬼に「ナイトフライヤー」だもんな。
手にとってあらすじを見ないと内容が分からないのにというのは上手い。
「IT」「ザ・スタンド」「トミーノッカーズ」といった原題そのままでも十分意味が伝わる上に、「図書館警察」のように翻訳しても斬新。
加えてわざとミススペルする「ペットセマタリー」……いかにも子供や異邦人がやりそうなスペリングミス!……とか。いつも凄いなぁと感心させられる。
ライトノベルのネーミングの流れを変えた古橋秀之火浦功を驚かせた滝川羊・専門領域を上手く使っている桜坂洋はまた明後日くらいに……(出来るかなぁ??)