プリンセスメーカー4*1、トップをねらえ2!*2とグラップルガイア*3にみるGAINAXのイラスト指向性をちょっと考える。
「はてな」のランキングでプリメのイラストレーター変更がランキングで上位に来ているのをちょっと面白い現象だなぁと思いながら見る。
大体の論調は
- 雰囲気が別ゲームに見える(10代から20代)
- 赤井絵イラストが懐かしい(30代以上)
という論調でほぼ統一されている。ここまで注目が集まれば宣伝は成功なんじゃないだろうかと思う。プリメ自体が、こうしたゲームの話題の中核であったことはここしばらく無かったわけだから、広報担当としてはホクホクだろう。
掲載したのがファミ通=エンターブレインというのも興味深い。World’s endの絡みか。
面白いと思っているのは、上記の三作品からGAINAXが新世代テイストをどうやって取り込んでいくかという流れがぼんやりと見える点だろうか。GAINAXでの王道とはこうだよというスタイルが見える。
GAINAXは、90年代後半の「美少女ゲーム」文脈や「カプコンを代表とするゲーム」文脈を積極的に取り込んでいこうとはしていない。むしろ「アニメ」「SF」「コミック」文脈の元に作家を選んでいるとでもいえばよいだろうか。
「ある水準以上」で「漫画家的な指向性がある」か、「赤井孝美・鶴田謙二と似たバックグラウンドを感じさせるセンスを持つ」作家を選ぶ方向性をセレクションしているように感じる。
余談:天広直人は美少女ゲームの典型じゃないかという人がいるかもしれないが、インタビューなどで語られたことや伝え聞く話、イラスト自体から感じる指向性は、ずっと「漫画家」寄りに自分には思える。<細かく書き込むのは嫌いじゃないけど、でも「漫画家」という感じ>*4
格闘ゲームとして作られている?グラップルガイアも、どうにも「格闘ゲーム」文脈や「ヒロインがいっぱいの美少女ゲーム」文脈で理解するには微妙なはみ出しがある。美少女ゲームや格闘ゲームは、「先にキャラクターありき」なので相互補完をしながら抜けがないようなキャラ配置(それこそ組閣するようなデータ的な配置)になるのに対して、グラップルガイアはむしろシェアードワールドっぽい割り振りになっている。90年代後半の美少女ゲームや格闘ゲームからは割と遠い。
振り返るにガイナックスの今まで作ってきたストーリー路線は、「美少女とメカ」ではあっても「男に都合の良い美少女だらけ」からは遠かったのかもしれない(セーラームーンの影響下にあった庵野秀明のエヴァの方がむしろそちらに近い)。
それが美少女ゲームの典型と見られがちな天広直人とのコラボになったので、今までのGAINAX路線との違和感を感じた層が反発を感じつつ、一斉に話題に出したのでランキング上位に来たんじゃないかと考えてみる。
もう一つ可能性としてみんな天広直人の新企画を待ち望んでいたというのもあるのだが、だとするともう少しWorld’s endの見え方も変わってくるような気もする。う〜ん?