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日本のオタク業界三大スルー。「スター・ウォーズ無双」が作られなかったワケ。

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なんかとにかく忙しかった二ヶ月がようやく終了。ちょっとした更新ならなんとか進められそうな雰囲気になって参りました。
いやこの土日は家で風邪で倒れていたんだけどね。クシャミしたら舌噛んで大変(笑)
で、先週、映像業界での飲み会があったのだけれども、そこで出た「日本のオタク業界三大スルー」というのが面白かったのでちょっと書いてみる。
まぁ「日本のオタク業界、ハリウッド三大スルー」の方がいいかなぁ? 二つはジョージ・ルーカス絡みだし……
今年以降から、トランスフォーマー、ゴライオン、新世紀エヴァンゲリオンとか、日本のアニメ発コンテンツが色々とハリウッドでの映画化などが進んでいるけれども、かならずしもハリウッドと組むのがベストというわけじゃない。ハリウッド版ゴジラの例もあるしね。
でも、この企画で組んでおけば、絶対、歴史が変わっていたというのもあるワケで、今まで俺の知る限りでは、それは二つぐらいしかなかったのだけれども、昨日になって三つ目が揃ったのでここで書いてみようかなと思った次第。
ではさっそく「このスルーパスがなければ歴史が変わった? 日本オタク業界三大スルー」を行ってみよう!

日本オタク業界三大スルー

  1. 三船敏郎スターウォーズダース・ベイダー役を断る。
  2. 永井豪:ハリウッド版「デビルマン」を断り、東映版を作る。
  3. 光栄:「スターウォーズ無双」の製作を断り、「ガンダム無双」を作る。

まずは
①「三船敏郎スターウォーズダース・ベイダー役を断る」
から。
これに関しては、Wikipediaが詳しいのでちょっとそっちを引用する。
三船敏郎 - Wikipedia

(三船が、)黒澤に薫陶を受けたジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」(1977) で、重要な役どころのダース・ベイダー役(当初はオビ=ワン・ケノービ役という説もあったが、娘の三船美佳の証言により「ダース・ベイダー」が正しかったようだ)の申し出を断った逸話は有名。もっとも当時のルーカスは現在ほどの巨匠ではなく、「スター・ウォーズ」もあれほどの大ヒットになるかどうか全く予想できなかった時点(製作前)での話であることに注意が必要。またルーカスが「黒澤に薫陶を受けた」というのは、一人のファンとして黒澤を熱愛し影響を受けたという意味であって、当時(70年代)のルーカスが黒澤と直接会ったり教えを受けたりしていたわけではない。オファーを受けた三船にしてみれば「知らない監督の、わけの分からないSF活劇映画」という印象でしかなかったと言われている。

その後、同じくハリウッド映画の寵児・ スティーヴン・スピルバーグ監督の「1941」(1979) に日本人潜水艦長役で出演するが、興行的には失敗に終わった。その後、「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」(1983) にてダース・ヴェイダーの素顔、アナキン・スカイウォーカーの役をオファーされるが、これも辞退。(余談だが、出演拒否されると思ってなかった制作側は三船をイメージした商品を許諾、このため最初期のアナキンのアクションフィギュアのパッケージは思いっ切り三船顔になっているのが興味深い。)

三船敏郎が、「ジェダイの復讐」での出演も断ったというのは、「三船プロの運営に支障をきたさない(デルス・ウザーラスター・ウォーズの出演辞退はこれに該当)」したらしいから、時期の問題他などもあったのかもしれない。
とはいえ、ここでダース・ベイダー役で出ていたら、明らかに歴史が変わったであろうことは確実なので、ちょっと残念。
世界のおけるサブカルチャー史の重要な一つが変わっていたかもしれないというのは、かなり残念である。

さてその次は
永井豪:ハリウッド版「デビルマン」を断り、東映版を作る。
という話。
東映の那須監督が製作した大駄作のせいで、もうハリウッド版「デビルマン」であっても今後、製作出来る目処はなくなったなと思うだけに、豪ちゃんが、ハリウッド版デビルマンを再三にわたって断ったというのはかなり残念ではある。
とはいえ、一説によるとハリウッドからの映画化の打診に置いては、「主人公が悪魔である」という点に関しては、キリスト教国のアメリカ映画業界としては、かなり分が悪いらしく、「デビルマンが敵」というシナリオでのオファーだったらしいからなぁ……。
これはちょっと難しいかもしれない。
とはいえ、完成披露試写会の下記の発言と聞くとちょっともの悲しい。

デビルマン完成会見&舞台挨拶
永井豪さんのコメントとして:
32年ぶりにようやく映画化になりました。ハリウッドからもオファーがあっても断っていました。ストーリーに流れるテーマをより深く、鮮明に描いてくれた。脚本の段階から参加しています。最初の脚本で納得できず脚本家が交代し那須真知子(脚本家、であり那須監督の奥様)さんになってからも3度書き直し、撮影中も思いつくことを言いました。

まぁ、アメリカの改変というのは一種凄まじいモノがあるから豪ちゃんが尻込みしてしまったのもしょうがないかもしれない。契約上の問題というのも、その後一切の映像化権を売り渡すみたいな契約になっていたらたまんないしね……。
そういった改変で凄まじかったのは、
アメリカで放送されている『風雲たけし城』では出演者がレイプ犯やセックス中毒にされているって話題ですが、これは下記に詳しいのでコッチを見てください。
10月24日 町山智浩 アメリカで放送されている『風雲たけし城』 | この『コラムの花道』がすごい!
なんとか、「銃夢」とか「寄生獣」が上手くいってくれるのを願うばかりだ……。
で、いよいよ本題の「スターウォーズ無双」の話。
③光栄:「スターウォーズ無双」の製作を断り、「ガンダム無双」を作る。
いや、「真・三国無双」が出た瞬間は、正直言って個人的に度肝を抜かれたんですよ……。
「なるほど、プレステ2のポリゴンはこう使えばいいのか!」ってね。
プレイステーション2が出て、さてポリゴン数はすごく出るようになったけれどもテクスチャ出すのは大変だわ、音声にバグはあるわで開発している人は皆大変だったんだけれども、ローポリの雑魚キャラを大量に出すという「多対戦格闘」、いわゆる「無双系」という形にまとめ上げるアイディアは本当にビックリした。
PS2の発売が2000年3月4日で、真・三国無双の発売は、2000年8月3日。フラッグシップ的にPS2の売れ行きを伸ばすソフトがなかなか開発出来ずにゲーム各社が苦しんでいる時に、それに先行して真・三国無双を発売出来た光栄は本当にスゴイと感心させられた。
普通なら、綺麗な背景とかハイポリモデルをなんとか出力してみようと四苦八苦したり(で、色んな大きさのポリゴンモデルを山のように造る)ところの発想を逆転させて、「雑魚キャラを山のように出す」というところに持っていくのが、真・三国無双のもっとも凄いところだったんじゃないかと俺は思っている。
シミュレーションゲームの老舗として非常に尊敬しているけれども、ただゲーム市場の主軸がプレステ時代になってからはやはり苦戦している感は否めず、「老舗が生き残っているのは大変だ」と思っていた矢先の、真・三国無双での復活劇である。
正直に言って、あの当時まさか光栄がPS2時代に適応してくると思ったゲーム業界人は少なかったのではないだろうか??
プラットフォームが変化することで劇的に業界内での立ち位置が変化してしまう事はよくある事で、個人的に印象深いのは、「やるドラ」シリーズのPS2での凋落とかが在ったりする。あれもPS1のあの時期に置いてだけ許された企画だったよなぁと感慨深い。
で、それと同じ事が、実はPS2からPS3へと移行する時の光栄にも言えたわけだ。結局のところ、PS2で真・三国無双は売れました。でも売れていけば行くほど尖鋭化は進むし、市場的には行き詰まり感が強くなってくる。
それに関しては切込隊長もブログの中で下記のようにコメントしております(笑)

……で、ここから先が聞いた話なんですが、そんなときにルーカス・フィルムからコーエーにオファーがあったそうです。
ジョージ・ルーカスからのオファーっすよ!
「光栄の真・三国無双は非常に良くできている。ついてはスターウォーズを無双シリーズにおける版権を許諾したい。ぜひ製作していただけないか?」
といったような内容だったらしい。
それに対する光栄側の返答が
「製作費をすべてルーカス・フィルムが出すのであれば製作する」
というモノだったらしい。
ああああぁぁぁぁッーーー!!
う〜ん、さすがにこれは光栄しかこんな科白を言えるのはいないなと思わせる。スゴイ断り方だ。
PS3の製作費は並大抵の額では納まらないので、そう言いたくなる気持ちも分かるのだけれども……
というわけで、スターウォーズ無双はポシャり、企画としてはガンダム無双が成立したんだとのことである。
多分、バンダイはかなり製作費を肩代わりしたんだろうなぁ……。
これが「日本オタク業界三大スルー」である。

まぁ交渉技能次第ならこういうゲームが完成したかもしれないし、色んな意味でアメリカゲーム業界にも一石を投じれたかもしれないが、今となっては夢また夢である。