オタク世代間コミュニケーション不全が最初に発生したのは80年代後半ではないか説。もしくは「究極超人あ〜る」から「げんしけん」に至る一過程。

堺三保さんから突っ込みがあったので、オイラの立場からの観点で説明。今朝も朝四時まで仕事しても、まだお礼メールが書けない。なんとかしなくては。
心和ませるために『おやすみ前にブラッシング100回 』のメリッサ・Pの画像を貼っておく。可愛い。メリッサ・Pの話題は明後日以降と言うことで。
<古いコンテンツなのでネタが通じない>ということではなくて、オタク第1世代から第2世代の間に横たわっている溝というのは、割と80年代後半から90年代前半においてコミュニケーションの場の質的な変化があったのが原因だと思う。
箇条書きにしてあげると……

オタク第1世代
◆仲間内での集まる場所として、大学のSFサークル・漫画研究会などが動いていた。
SF大会の盛況ぶりを体感している(ゼネプロによるSF大会を大学生時代に体験している)
→こうした状況は、それ以前のSFファンダムの状況と大きく変わってはいない。

それに対してオタク第2世代のメインフィールドは、かなり違ってきていた

オタク第2世代
◆RPGブームや格闘ゲームブームを受けて、「地域のTRPGサークル」「ゲームセンターの寄せ書きノート」「PBMといったメールRPG」が活動基盤となる。むしろ大学のサークルは低迷する(げんしけん化する)
◆SFが元気なかったこともあり、基本的にSF大会に行かなくても趣味としては完結できた。
◆NIFTYなどのパソ通の黎明期。
→その結果、以前までのような年上のOB等と付き合う必要性が薄くなっていった。

細かく上げていくと「大学サークルはバブルの影響などで、文化系サークルであっても変質がはじまっていた」「SFマガジンやハヤカワHi!を読む暇があったら、アスキーやログイン、コンプティークの方がよほど面白かった」等々と理由があると思いますが。
ところが、第2世代がさぁ就職しようという頃合いを見計らったかのように、「大陸書房倒産」「新声社倒産」「角川事件」などが相次いで、第2世代がことごとく業界就職口をなくしていったよね〜〜みたいな話は第2世代が集まると良く出ます。
特にSFや出版業界の界隈で、こうしたことが多かったのかも。先日、コミケ関連ではそうしたことがあったかどうかを聞くと、「あまりなかった」と言われた。
基本的に第1世代と第2世代は、接触取らなくても互いの世界で完結してしまった部分があったのだけれど、それが経済状況で助長されすぎてしまった感じがあります。
……これがまぁ、今を苦しめている文化的継承が成されていない遠因に成っているわけですが。
その結果、第1世代と第2世代の接触不良が90年代には笑い話のような状況を各所で生み出しているわけで……。
分かり易い具体例を出そうとするとなぜかその例が大森望氏周辺に頻発するので、例を引くのも悪いなぁという気がするのだが、個人的にも赤面ものの話を出すので勘弁して欲しい(多分、大森氏周辺のネット環境が早かった分、記録と記憶に残りやすいのだろう)。
オイラがはじめて大森望さんと会ったのが、8〜9年くらい前の某パーティの時だったのだが、何か話題を振らなければと思って自分からふった話題が「『宇宙怪獣ラモックス』が完訳版の『ラモックス』として出て本当に嬉しかった」云々という話だったのだが、あとで三村美衣さんから「変な人と会った」と言われたとか(笑)
大森望さんの方はまったく覚えていないらしいが、98年6月5日(金)「エロまんが業界の現在を斬る!」での色んな話題が、未だにハイエンド系の定義云々で暗い影を落としているとかいないとか、ややこしい(苦笑)
この辺りが、第2世代から見ると「第1世代は、前の世代から継承したものばかり多いくせに後代に残しゃしない」という、えらい複雑な思いに繋がるのかも知れない。
それが巡り巡って、第3世代から
http://d.hatena.ne.jp/stupa/20041205#p1

完全読本Vol.2のそのあたりを読むとライトノベル書評利権をSFのおじさんとかSFのおじさん的前田久が分配しようとしているように見える。定義の問題で超革中をライトノベルの元祖に設定できるのは分かるけどなんか腹が立つ。

とか指摘を受けて愕然としたりとか
いやまぁ最近そんなことを言っていてもしょうがない、粛々と仕事しようという境地にようやくオイラも達することが出来るようになりました。
そんな状況はさておいてライトノベル☆めった斬り!は、相互補完的に「ライトノベル完全読本Vol.2」を埋めてくれているので、両方買うとより一層楽しめます。発売日となった今日、みんな買いましょう。値段以上の価値はあるので。
ライトノベル☆めった斬り!