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細野不二彦を読み直し中

id:gryphonさんが、ブログ更新を控えるかも〜みたいなことを書かれたもので、ファンの私としては、「ならとうとう封印していた細野不二彦論をせざるを得まい!」「横からgryphonさんに突っ込んでもらえれば書けるかも」とか何とか考えて細野不二彦を大量にブックオフで買ってきたりとかして読書中。
−−−とか思っていたら、わりとgryphonさんが更新し続けている(笑)

今月WOWOWで放送した「涼宮ハルヒ」シリーズをほんのちょっとだけ見た感想 - 見えない道場本舗

と、仕事が忙しかったこともあって、ちょいと停滞してました。けどまあ先行投資がでかかった分、チョロチョロとイチ細野不二彦ファンとして、書いていこうかなとか思っております。

太郎 vol.15―Dreaming and working for (小学館文庫 ほB 55)

太郎 vol.15―Dreaming and working for (小学館文庫 ほB 55)


「太郎」とか読み返したら、やっぱりすごいわ。個人的にリアルタイムでは「太郎」は読んでなくて、むしろリアルタイムで読んでいた「ママ」の印象が強かったなぁ。
年代順というよりは、他の漫画家と比較しながら書くのがいいかなぁなどと考えております。

Web上で書くのは時間かかるな

2011-01-19 - さて次の企画は
ようやく書きあがった。
ウェブ上で構想から書くのは時間かかるな。本文テキストの大枠ぐらいは別に書いておかないとだめだな、こりゃ。
あと運動不足で肩が痛い。
MacBook Air 11インチ欲しい!
これもやっておかねば

セクシーSF映画『バーバレラ』のリメイクが、元・美少女子役にもたらす救済

【大体、書き終えた】
昨日は伊藤計劃さんの『ハーモニー』英訳版がフィリップ・K・ディック賞へノミネートされたというニュースにSF業界のタイムラインが沸いたのですが、なぜかそこから
「そういえば『ハーモニー』の百合姫でのコミカライズは進んだの?」
(中略)
「SF作家の性的妄想の中核には『バーバレラ』ってあるよね」
みたいに話題が転がっていく。我ながらなんて中学生みたいなんだと思いつつもWikipediaを検索してみたら、
『バーバレラ』のリメイク権は、ドリュー・バリモアが持っていて、ロバート・ロドリゲスがもうすでに動いている
という記述をみて、もう目が点に成るぐらいびっくりしてしまいまいした。
……と書いても、若い人にはなんのことやらわからないだろうから、説明を。
バーバレラ - Wikipedia

バーバレラ [DVD]

バーバレラ [DVD]

フランスの劇画家ジャン=クロード・フォレストによる人気SF劇画を、耽美派ロジェ・バディム監督が映画化したエロティックSF活劇。時は宇宙歴4万年、宇宙破壊光線を完成させた悪党デュラン=デュランを追って、とある惑星にやってきたバーバレラ(ジェーン・フォンダ)の活躍を描いたものだが、数々のキッチュな美術やセット、そして無重力ストリップや間接SEX拷問などなど、製作当時のサブカルチャーを反映させたポップでかっとんだセクシー・アイデアも満載。
またヒロイン、J・フォンダのエロティシズムがもっとも過激に発散されまくっているという意味でも、お楽しみは多数。その後の日本の劇画や映画、TVなどにも与えた影響は大きく、今なおひそかなファンの多い作品。(的田也寸志)Amazonの商品説明より

ジャンル分けするのであるならば、カルトなB級SF映画と言えばいいだろうか?
けれども若さ溢れるジェーン・フォンダの魅力と、チープながらも性的暗喩の溢れたガジェットが奇跡的にキッチュな魅力を産み出して、
世界中のSF少年の心(と下半身)を鷲掴み
にした映画である。そんなモノを鷲掴みにして何が楽しいのかと思うのかもしれないが、そんな考えは、萌えがこれほどまでに商売になっていることを考えれば解るよね。若者の下半身を掴むことは重要なんすよ(まぁ過度なのは良くないよね)。
とりわけ有名なのが、オープニングタイトル。
ジェーン・フォンダが、キラキラした宇宙服をストリップさながら(というか、もろストリップ)のように脱ぎ捨てていくというもの。YouTubeにも貼ってあるのでちょっと引用しよう。

年齢制限があるのでお子様は見ないように。まぁ今見ると間延びしていて長閑なもんだけど、可愛さみたいなのは伝わってくるよね。
どうでもいいが、この宇宙服のヘルメット、本当に亀頭にしか見えん。また変な感じでジェーン・フォンダの顔が見えるようになるんだ、これが。
制作年代が制作年代なんで、僕もTVの深夜放映ぐらいでしか『バーバレラ』を観たことないのだけれども、
横溢するセクシャルなSFイメージはハリウッド映画のみならず、日本においても様々なフォロアーを産み出してきた。
バーバレラのOPをオマージュした今井美樹出演の三洋電機のCMというもあって、バーバレラで検索すると引っかかるのでついでに貼っておく。

BGMは覚えていたけど、さすがに映像としては覚えてなかった。変なCMだ。
今井美樹が大丈夫か、心の底から心配になる出来だ。
ラストに出てくる「SANYO 人と・地球が大好きです」というメッセージを見ると
お前が好きなのは「人と・地球」じゃなくて、「HなSFお姉さん」だろう
と言い返さずにはいられない気分になってくる。
深夜アニメならともかく僕はこんなのをクライアントにプレゼンする勇気はない。
よくスポンサーが通したもんだ。
同じような『バーバレラ』のフォロアーとしては、例えばフランシス・コッポラの息子で、ソフィア・コッポラの兄でもあるローマン・コッポラが2002年に公開した『CQ』がある。

CQ ゴージャス・エディション [DVD]

CQ ゴージャス・エディション [DVD]

コッポラ監督を父に持つ、ローマン・コッポラの映画デビュー作。69年のパリを舞台に、2001年を想定したセクシーSFスパイ映画製作に熱中する青年の姿を描く。映画監督になった主人公は、必死にSF映画の編集をしていくのだが、主演女優に恋するあまり、次第に映画と現実の境界が曖昧になっていく……

僕も予告編だけしか観たことないんだけど、ちょっとDVD買いたいなぁと少し触手が動いているところ(この文脈で使うとマズイ意味に思えてくるな)。コッポラ長男のセンスの良さは出ていたけれども、変な映画だったようだ。

そう考えていくと、
リュック・ベッソンが子供の頃、原案を考えたというプロモを信じて見に行ったら、本当にラストが子供が考えたようなオチになってしまい、構想何十年って本当に意味が無いんだなと骨身にしみるフィフス・エレメントや、予告編しか見る価値がないイーオン・フラックス伊集院光が本当に絶望したTRON:LEGACY』(この監督が『ブラックホール』のリメイクをすると聞いているのだが、ディズニー&ラセターが狂ったとしか思えない。僕もSF映画の途中で寝るという信じられない状況に追い込まれた)とかの、ボディラインが直接出る素敵SFヒロインは、大枠に置いて「バーバレラ」影響下に置かれたと言ってもいいのかもしれない。
もちろん、その影響力は日本にも及んでいて、
寺沢武一は『バーバレラ』直撃世代だったりする。
『COBRA』最大のヒロインである、ロイヤル三姉妹の一人で連邦捜査官《ジェーン》は、多分、本作のジェーン・フォンダのオマージュだろうしね。
また『バーバレラ』はジェーン・フォンダの衣装が多彩なのも楽しいところ。なんかこの記事書いているときに目にしたブログに書いてあったのだが、
えんえんと11PMのOPが続いているようなSF映画
と表現されていた。なんというか、まさにその通りなのである。この感覚は学生時代に11PMを見ていた男子じゃないと分からないだろうけれど(笑)。
それとアメリカ版のWikipediaの項目を見ると年代別に細かく『バーバレラ』のフォロアーが書いてあって面白い。
Barbarella (film) - Wikipedia, the free encyclopedia
2000年代に『バーバレラ』の影響を受けた漫画家としてCLAMPが上がっているのも興味深い。
CLAMPのコミック『不思議の国の美幸ちゃん』の一話、『テレビの国の美幸ちゃん』は、『バーバレラ』の深夜放映を寝ちゃって見逃していた主人公の美幸ちゃんが、TVの中のセクシャルSF世界に迷いこんでレズられるという話らしい。
まんまやん。
まぁこの漫画は、そーゆーCLAMPが大好きな「大概な倒錯的ストーリー」を楽しむのが肝なんだけど。

不思議の国の美幸ちゃん (角川コミックス・エース)

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さて、こんな風に製作者や出演者の意図をはるかに超える範囲で、セクシャルB級SF映画としてカルト化してしまった『バーバレラ』だけれども、主演のジェーン・フォンダ自身は、当時の夫が監督でありながら、どうにも自分の経歴から消したい映画だったようだ。
一説には本人嫌がったんだけど、契約上やらされたという話もあるけど、何人も愛人を作って母親を自殺に追い込んだ父ヘンリー・フォンだとの確執から、反戦運動や女権拡張運動へとのめり込んでいくジェーンの生き様を見ると、こんな性的メタファーに満ちた映画なんてキャリアから抹消したくなるのもむべなる哉と思う。
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(北ベトナムで反戦活動しているジェーン・フォンダ。通称ハノイ・ジェーン。どう考えてもやり過ぎ)
ましてやそれがセクシャルSFヒロインとしてアイコン化されて、粘着気質のファンにストーキングされたらねぇ……。
少なくとも描写の過激さにおいて、飯島真理リン・ミンメイ平野綾涼宮ハルヒキャリー・フィッシャーレイア姫どころの比じゃないわけだし。
けれども傑出したアイドル映画がすべてそうであるように、「主演女優の旬」「監督の女優への愛情」が合致した瞬間が、この映画には明らかにあって、だからこそ未だなおファンが多いのもうなずける奇跡的な映画になっている訳だ。
で、そこで面白いのが、そんな俗っぽさの極みたいな本作が、なぜか
ホーソーンの「緋文字」のように、聖と卑が反転した強力なICONとして、ある種の女優たちを惹きつけているのがたまらなく興味深い。
『バーバレラ』のリメイク権をドリュー・バリモアが持っていて、リンジー・ローハン主演でそれを撮ろうとしていたんだよ?
さて、ドリュー・バリモアというと今では何を連想されるのだろう? 僕の世代だとなんといっても『ET』と『炎の少女チャーリー(原題:ファイアスターター』)の二つの映画が印象的だった。
三代続くバリモア家という芸能一家に生まれたため、デビューは早かったドリューだけれども、天才子役にありがちな10代そこそこでアルコールとドラッグというピットフォールにハマり、無茶苦茶な青春時代を送ることになった。ところがそれから復帰すると、まるで送れなかった青春時代を取り戻すように、「ダメな女の子の私」をメタ的に捉えるような役を次々とこなすようになる。
それは自身が製作に入った作品に顕著で、いじめられっ子高校生活を潜入取材で取り戻す25年目のキスとか、性格はいいんだけどレッドソックスの熱狂的なファン過ぎる彼との恋愛に悩む『2番目のキス』などは、色んな意味で現代的に痛すぎて評判になった。
2番目のキス (特別編) [DVD]

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キャリア・ウーマンのリンジーは30間近の独身。大きな仕事は任されるし、友人もたくさん、人生順調組を歩んでいた。そんな彼女の前に、高校教師のベンが現れ、リンジーに一目ぼれをした。こうして2人の恋は順調にスタートした。ところがある日、リンジーの両親に会う日を目前にして、ベンが予定をキャンセル。この日から、ベンがレッドソックスの熱狂的ファンであることが判明! ソックスに何よりも情熱を注ぎ、リンジーにも一緒に観戦して欲しがるベン。リンジーも彼にあわせようと頑張るが、仕事はたまるいっぽう。互いにすれ違いを感じるようになってきたリンジーとベン……果たして2人の恋の結末はどうなる?

で、自身の映画製作会社《フラワー・フィルムズ》での『チャーリーズ・エンジェル』シリーズは大ヒットを飛ばし、その成果を持ってハリウッド映画の中でもちゃんとした位置を確保したのには、正直驚いた。
昨年見た映画の中で、ドリュー・バリモアの初監督作品ローラーガールズ・ダイアリーは、去年のベスト10に入る傑作で、正直、弱々男子の傑作恋愛映画『(500)日のサマー』にも匹敵するんじゃないかと個人的には思ってたりする。……まぁアメリカでも男子はこんなに弱いのかという点でも驚くんだけど。

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

テキサスの田舎町に住む、普通の女子高生ブリス。
保守的な母親から、美人コンテストで優勝したら将来きっと幸せをつかめると言い聞かされ、コンテストへの参加を強いられる日々に飽き飽きしていた。
そんなある日、“ローラーゲーム”の存在を知った彼女は、試合を観て完全に魅了される。
そこに集うのは、年齢も仕事も多種多様、<女らしく>なんて気にせずにワイルドにぶつかりあい競い合う、いきいきと力強い女性たちだった。
ルールすら知らずに、親に内緒で年齢を偽って新人発掘トライアルに参加したブリスは、ずば抜けたスピードを見染められ、入団決定!!
選手として才能を開花させながら、年上のチームメイトたちと友情を育み、バンドマンの彼氏もでき、ブリスはやっと<自分の居場所>を見つけたと思えた。
しかし、彼女の活躍は内緒にしていた家族の耳にまで届いてしまい、チームにも本当の年齢がバレ・・・。

主役を演じたエレン・ペイジが、初恋のバンドマンと初体験するシーンは、夜のプール(!)で、二人が泳ぎながら服を脱いでいくシーンがすごく綺麗で、監督としての才能に本当に驚かされた。ストーリーは本当に王道なんだけれども、それを初監督作品でちゃんと撮ることができたことは、いくら評価してもしたりないと思う。
そんなドリュー・バリモアが、同じく天才的な歌手&俳優としてティーンアイドルの頂点に上り詰めながらも、ハチャメチャな私生活で、いまやゴシップガールとしての方が有名になったリンジー・ローハンで、『バーバレラ』を撮りたかったらしいというのだから、話は複雑になってくる。
ちなみにリンジー・ローハンといっても解らないSF者も多いだろうから写真貼っておくとこんな感じ。
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(左がフォーチュン・クッキーに出演して、その演技が絶賛された頃のリンジーで右が現在。なにこの変貌?)
ドリュー・バリモアの『バーバレラ』の入れ込みを見ると、プールのシーンにも別の意味が込められている気がしてくる。いやだれもここで『さよならジュピター』を思い出せなんて言ってないからね。
(『ローラーガールズ・ダイアリー』主演のエレン・ペイジも、『ハードキャリー』『JUNO-ジュノ』とか演じてきたキャラクターキャリアを見ると色々と考えさせられるのだけれどもまぁそれはまた次の機会に)
で、現在、実際に再映画化を推進している(まぁ止まっているらしいけど)のが、「漢」ロバート・ロドリゲス。主演は自分の事実婚の相手であるローズ・マッゴーワン
今回、Wikipediaを読んで
「あれ? 『スパイキッズ』などを作る良いお父さん&漢の友情と義理に堅い映画監督というイメージだったロドリゲス監督、離婚しちゃったんだ〜」
とか思っていたのだけれども、相手が魔女ローズ・マッゴーワンじゃしょうがない。
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(魔女にしか見えないローズ・マッゴーワン。怖い)
日本だとTVドラマ『チャームド〜魔女3姉妹〜』で有名なローズ・マッゴーワンだけれども、両親がファミリー・インターナショナルという、「セックスを使って、神の愛を表現し、改宗者を獲得するという"浮気釣り"と呼ばれる福音伝道の方法」をとるカルト教団だったため、15歳の時に法的に親から独立しています。なんだそりゃ!
ちなみに町山智浩さんの本を読めば分かりますが、『チャームド〜魔女3姉妹〜』には、天才子役で『ビバリーヒルズ高校白書』で人気になりながら、プロデューサーを批判して干されてたシャナン・ドハーティーという魔女も出ています。実在の魔女だらけだよ、このドラマ。
『バーバレラ』のリメイクに、ドリュー・バリモアリンジー・ローハンローズ・マッゴーワンが関わってくるというだけで、正直、お腹いっぱいになっているんだけど、こんな風にB級カルト映画が、幼少時から才能があったゆえに、周囲の社会から傷ついてしまった女性たちへの「救済」として機能しているのをみると、本当に不思議であると同時に、ちょっと複雑な気持ちになってくる。
ちなみにもし日本で『バーバレラ』をリメイクするのであるなら、
現在なら黒木メイサ主演を強く押す
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2010年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞 | 破壊屋
昨日更新された大人気サイト↑を見ればわかるが、黒木メイサはCMのダイワマンレディーも含めて駄作に出過ぎ!

黒木メイサは『大帝の剣』『ベクシル』『昴』『ASSAULT GIRLS』『矢島美容室 THE MOVIE』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』と大駄作ばっかりに出演しているので、もうちょっと仕事選べよ!

せっかく、
「生臭さが皆無だから、SFオタクが見ても引かないゴージャス美人」
という稀有な美貌の持ち主なんだから、ここで一発、「バーバレラ」日本リメイクに出て、B級映画を卒業するというのが美しいキャリアアップだと思う。

また消しちゃった

書こうと思っていると、記事を消しちゃうなー。
年末年始に読んだ本や映画などをまたあとで書く〜。

コミケには行かずに乱読

会社行って仕事して、色々と本を買い込んで乱読。感想書きたいのがいっぱいあるのだけれども流石に書く暇はないけど。

自衛隊秘密諜報機関 ―青桐の戦士と呼ばれて

自衛隊秘密諜報機関 ―青桐の戦士と呼ばれて


自慢が多くて読みにくいし、本当かどうか客観的な資料もないので、正直なところ分からないのだけれども、「戦後、日本人が台湾で諜報活動をやっていた」という観点から拾っていくと、おもしろいネタが多い。
メサイア 警備局特別公安五係

メサイア 警備局特別公安五係


トッカン―特別国税徴収官―が大ヒット中の高殿円さんの新作。架空の戦後日本でのスパイアクション。色々と参考になる作り方で勉強になる。元々はCDドラマとして企画されたものらしい。金子修介監督と黒田洋介脚本で実写化が進んでいるとのこと。ちょっと時間があれば、ミリタリーアクション関連でちょっと語ってみたいような作品。
ロンドンの小さな博物館 (集英社新書)

ロンドンの小さな博物館 (集英社新書)


フランス生まれ―美食、発明からエレガンスまで  集英社新書

フランス生まれ―美食、発明からエレガンスまで 集英社新書


写真で読む昭和史 太平洋戦争(日経プレミアシリーズ)

写真で読む昭和史 太平洋戦争(日経プレミアシリーズ)


新書もまとめ買い。みんな当たりだったかな?

オール新人SF短篇集「原色の想像力」レビュー

第一回創元SF短編賞に応募されてきた作品で最終候補に残った作品のうち9作と、第一回創元SF短編賞を受賞した松崎有理さんの受賞後第一作を収録した『原色の想像力』が刊行された。
 で、読後感想をほとんど書き上げたところで、下書きが消えてしまったので再度書きなおし。泣きそうである。


 先入観なくこんな形式で短編を読める機会などは滅多にないですね。本当に面白い企画だと思います。
 で簡単にレビューなどを書いてみます。
◆うどん キツネつきの:高山羽根子(第一回創元SF短編賞 佳作)
 パチンコ屋の裏で不思議な生き物を拾って、その生物をペットとして飼い始めた三姉妹と家族の生活を描く。と言っても実はあんまり不思議なことが起こるわけではない不思議な読後感を残す。最期まで読むとうすうすそのペットの正体も解るんだけど、それよりも三姉妹(+お母さん)のちょっとズレた恋愛や生活描写の方が面白い。それを楽しめるかどうかで評価が変わってしまいそうな作品。
◆猫のチュトラリー:端江田仗
 主人公の家の福祉用ロボットが、ソフトの不具合から、「捨て猫」を「捨て子」とご認識してしまうことから起こるちょっとした家族のドタバタを描く。「うどん キツネつきの」に出てくるお母さんもそうだが、この作品に登場するちょっと気の強い義母さんが面白い。こういう風に両親との関係をきちんと書ける作品は強いなぁ。加えて近未来技術と一般家庭の距離感がとてもリアリティがあって楽しく読めるハートウォーマーな話。
◆時計じかけの天使:永山騾馬
 学校でのいじめを無くすために、いじめの標的となるロボットを学校に転入させる法案が可決された近未来の日本……と書くと吉田戦車の「いじめて君」を連想してしまう俺はもうオジサン過ぎるのかもしれない。まぁそんな「いじめてちゃん」がやって来たことで、主人公の女の子はイジメから救われるのだけれども……という話。ちゃんとオチがつきつつ感動的に話は〆るんだけど「いじめて君」を連想しちゃうと色々と読みにくいかも。連想するのが悪いのかもしれないけど。
◆人魚の海:笛地静恵
ジェームス・キャメロンやら永井豪が大好きなんだろう! この著者は!」と思わずにはいられない快作(怪作)。筋肉巨大女フェティッシュな作品。日本の離島を思わせる島では、女性が「人魚」として「巨大化」できる不思議な習俗があった(優秀な女性だと人間の30倍ぐらまで巨大化できる)。それを元に島の奇妙な祭りや男女の恋愛、そして戦いを描く作品。書き出しを読んだ時に一番期待させられた作品。ちょっと最後は大団円過ぎるかなとか思ったけれど、個人的にはとても面白く読めました。
◆かな式 まちかど:おおむら しんいち
 ひらがなが、自意識を持って「自分」ならぬ「字分」探しに悩むという不可思議な話。読んでいると中島敦のように「ゲシュタルト崩壊」起こしそうに思うのだが、逆に各々のひらがなに個性が出てきて、崩壊ならぬ構築される感覚が味わえる不思議な作品。
・「の」が、「め」や「あ」と会って、字分には何か足りないのか悩む。
・「れ」が、「わ」と字分の違いで、アイデンティティについて悩む。
・何故か「ふ」は小説家で、『一筆書きの幸福』『書き順も忘れられた告発』等の、ひらがなにとっては純文学ともいえる小説を書いている。
とか、変な話が書いてある。一番くすくす笑えた短編でした。
◆ママはユビキタス:亘星恵風
 今回の短篇集の中で、一番SFらしい宇宙SF。スーパー技術者であるママによって、世界全体の技術が進んでいく中で、銀河に向かって旅立っていた『彼』を、空間・時間のスケールを超えて追いかけていく話。それにまぁ宇宙人とのコンタクトも絡んでくるのだけれど、こうして書くと『虚無回廊』の1エピソードみたいだ。タイトルのひねり具合だけで「おっ」と面白くて読みたくさせるのが上手いなぁ。一番、次回作が気になる著者でした。
◆土の塵:山下敬(第一回創元SF短編賞 日下三蔵賞)
 一番オーソドックスながらも、きちんとオチもあるタイムトラベルもの。読んでみてものすごい驚きみたいのはないのだけれども、安心して読める安定度の高さに感心した。でもその反面で、男性視点で恋愛みたいなのを書くと、(後の「ぼくの手のなかでしずかに」もそうなんだけど)、ちょっとナイーブすぎる感じになっちゃうものなのかな? もうちょっと突拍子も無いネタで次回作を読みたいなと思いました。
◆盤上の夜:宮内悠介(第一回創元SF短編賞 山田正紀賞)
 四肢を無くしてしまったが故に、囲碁盤を自分の体の一部のように「感覚」として捉えるようになってしまった女性棋士の数奇な運命の変転を描いた短篇集。内容もさることながら一番サスペンスフルに読めた作品。その「感覚」を伝えるために、多言語を使う辺りとかが面白く読めました。ラストはもうちょっと斜め上ぐらいに持っていってくれると良かったかも。
◆さえずりの宇宙:坂永雄一(第一回SF短編賞 大森望賞)
 図書館が「バベルの図書館」を超えて、自意識を持ち始め、さらにTwitterで呟きながら戦いあう世界を描いた作品……って理解で正しいのかな? 最先端で面白いと思うのだけれども、ただ個人的には「説明し切らないのが最先端」というのが最早古いような。ちょうど2000年代始まった頃に「セカイ系には食傷気味だな」と思ってしまう新しもの好きな質(たち)なもので、いっそ全部説明した上で描き切っちゃうほうが、逆にいい作品になったような気もします。その意味ではこの世界観で長編が読みたいかもと思ってしまいました。発想力はこの作品が一番ぶっ飛んでいると思います。
◆ぼくの手のなかでしずかに(第一回SF短編賞 受賞後第一作)
 単年度単位での契約で、数学の研究をしている非モテの研究者の恋の話。SF少年が心奪われる魅力的なヒロインという意味では、本作に出てくる女性が一番魅力的かも〜。でもそれに反比例して主人公のウジウジさも大きかったりするのだが。男子視点で書くとどうしてもこうなってしまうのかな? 受賞作の遺伝子の話もあったので、今度は男女の絡まない話をお読みしたいなと思いました。


期待以上に面白い作品が多かったのでお得な短編集だと思いました。
というのも、本当にプロの人が書いた作品集だと、「切れ味を重視して、ラストの衝撃度を大きくしようとする余り、なんかSFというよりもホラー短編・不条理短編に近くなる」みたいな印象が最近、自分の中に出てきちゃって、少し困っているというのも理由としてあるのかもしれない。
 売れ行きが良くて、次回も続けられればいいなと思う企画でした。